移住者の声
藤本さん夫妻

藤本さんのお宅訪問

職業:リタイヤ組 移住年:2005年 前住所:大阪市 現住所:洲本市

淡路島にも爽やかな季節の到来です。美しい新緑と海の輝きを眺めながら目指したのは洲本市炬口(たけのくち)、藤本謹也さん・えつこさんのお宅です。

国道28号線から道をそれて、急な坂道をあがると、そこには洲本市の市街地からわずか5分とは思えないほどの山の景色・・・そして眼下に広がるのは大阪湾。
こんな素敵な場所をどうやって見つけたんですか?・・・インタビューはそんな質問から始まりました。

藤本さん夫妻が淡路島に暮らし始めて既に数十年。謹也さんの仕事の関係で大阪から洲本市に引っ越し、以来長きにわたり洲本市内のマンションに住んでいました。
とはいえ、高い技術と指導力を持つ謹也さんは海外を飛び回るような企業戦士。子育てや家の切り盛りはすべてえつこさんに任せきりだったと振り返ります。

謹也さんとは仕事の関係で知り合い、遠距離ながらも大恋愛の末に結婚されたえつこさん。結婚で関東から京都へ、後に大阪へ転居、そして淡路島へと移り住み、謹也さんを支えつつお二人の子どもさんを育てあげました。今では立派な「淡路のマダム」ですが、ご苦労も多かったのではないでしょうか。

「だから今、妻に罪滅ぼしをしているんです。」と笑う謹也さん。車の運転をしないえつこさんを誘って、二人で淡路島の名所旧跡を訪れたり自然を楽しんだりしているのだとか。えつこさんのやさしい笑顔を見れば罪滅ぼしは十分できているようですが、きっとお二人でゆったりと過ごす時間こそが謹也さんにとっても、現役時代には味わえなかった理想のスローライフなのでしょうね。

とはいえ、おふたりの大切なお役目は他にもあります。「おじいちゃん・おばあちゃん」業ですね。たびたび訪ねてくる3人のお孫さん達のお世話やお相手が楽しくてたまらないようですよ。
お二人が淡路島を生活の拠点と決めたのも、娘さんと息子さんの地元での結婚がきっかけでしたが、かわいいお孫さんたちに恵まれた今、その決断は大正解だったといえますね。

東京の業界団体で5年間単身赴任をしながら、海外へ国際協力の改善指導に出かけていた謹也さんですが、8年ほど前にタイミングよく大阪に持っていたマンションを売ることができ、いよいよ本格的なあわじ暮らしを考え始めました。

そして、えつこさんがしっかりとした目で見つけたのが、現在のお住まいです。新聞に入るチラシなどを細かく見ながら動向を調べ、謹也さんが戻った時には何軒かの候補地を見学して回ったといいます。

その中で謹也さんが気に入ったこのお宅は、山の中腹に建つ和風のイメージ漂う日本家屋。朝は野鳥のさえずりに目覚め、時には夜明けに漁船の奏でる低重音が伝わるという、静寂に包まれた環境にあります。

そんな自然の中で暮らし始めて7年。裏山の持ち主のご好意で畑づくりも楽しむ一方、親戚となった義理の娘さんのご実家での玉ネギ収穫など、お孫さんも交えて本格的な農業にも挑戦した藤本さんご夫妻。いなか暮らしを満喫とは、このことですね!

さらにもうひとつ・・・海外での経験や語学力を生かしてボランティアにも余念がない謹也さんは4月末にNPO化した淡路市国際交流協会の理事に就任。淡路の国際化にも一役、いえ、二役も三役もかっていただけそうで期待が高まります。

「移住先に何を求めるか、そこで何を支えにして生きていくか、夫婦でしっかり確かめることが大切」・・・離れて暮らす期間も長かったからこそ、しっかりと話し合ってきたお二人ならではのアドバイス。そして大変偉い方なのに偉そうにしないご夫婦のやわらかな笑顔をお土産に、帰途につきました。

取材日:2011年05月17日

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