移住者の声
三木 大さん

「淡路翁」三木大さんにインタビュー

職業:飲食店経営 移住年:2013年 前住所:広島県 現住所:淡路市

台風一過、淡路島はすっかり秋となりました。稲がこうべを垂れかけた田んぼの風景を楽しみながら辿り着いたのは、そば打ち職人・三木大(まさる)さん(43歳)が営む「淡路翁」です。

数年間空き家になっていた築30年の家を改築したというそのお店は、淡路島の北部、淡路市小田の山道を突き進んだ先にあります。ご近所の応援を受けながら家主さんと一緒に舗装したという道を下った先にあるのが、鉄骨コンクリートの民家を和風かつモダンに改築した三木さんの住宅兼店舗です。

清潔感あふれる職人姿で迎えてくれたのが、優しい目をした三木さんです。店に入ってすぐの工房には、そばの実を挽く石臼をはじめ様々な専門器具が並びます。ガラス越しに見えるそれらにも興味が湧きますが、同時に目を奪われるのは客席から見える外の景色です。大きなガラス窓から広がる山々や田畑のその先には大阪湾の青い海まで眺められます。横浜生まれの三木さんがこの地に自分の暖簾を上げたのは、どういうことからなのでしょう・・・。

大学を卒業後サラリーマンとして10年間働いた後、独立したいと考えた三木さん。自分のやりたいことを、と考えた時に浮かんだのは大好きな「そば」でした。自分の手で美味しいそばを打って人にも喜んでもらいたいという思いから、信州・長野で修行に入ったのが35歳の時。長野での2年半、広島での8ヶ月を経て自身の店の開店を目指しました。

横浜、徳島などの候補地があったものの、決断したのは淡路島。ご両親が住む徳島から近いこと、修行先の親方から島の住民を紹介されたこと、そして阪神間にも近いことが決め手でした。「風景の美しい田舎でありながら都会に近くて便利だから・・・」と振り返ります。

ところが、店の場所探しから購入までにかかった期間はなんと4年。その間徳島のご実家から通い続け納得の行く土地を探しながら多くの人と出会ってきました。最終的に決めたこの場所も知り合いが紹介してくれた土地でした。

「淡路島の人は温かい」と微笑む三木さんですが、そんな彼を応援する人は想像以上に多いようです。1年半かけて改築、この5月にオープンしたお店の周りは、きちんと美しく手入れされています。以前は草だらけだったという休耕地はきれいに草刈りされ、白く可愛いそばの花が咲き始めています。「皆様のご協力と応援の賜物」と三木さんが表現するように地元の人々の応援と期待の気持ちが感じられます。

島の人間は閉鎖的と言われることもありますが、「運良く地元の人と仲良くなれた」と三木さんは言います。その誠実さと真剣な姿が運と縁を自然と引き寄せたように思えます。

そんな三木さんから移住を考えている方に向けての言葉は、「自分の得意なものを見つけて思い切って飛び込んで欲しい。」・・・まさに本格派そば職人の腕を持って飛び込んだご自身の説得力のある言葉です。飛び込んだが最後、畑のそばに負けず土地に根を張っての商売繁盛を期待しています。今度は食べに行きますからね!

動画

淡路翁

淡路市小田1157

Webサイト:http://awajiokina.com/wp/

取材日:2013年09月15日

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