こんにちは。東京から淡路島に移住して4年目になる小林です。
移住当初は地域おこし協力隊として古民家のリノベーションに携わっていましたが、現在はライター業や法人向けのマーケティングコンテンツ制作を中心としたリモートワークで生計を立てつつ、民泊事業の準備も進めています。
今回は、島暮らしとリモートワークを組み合わせた働き方について、今感じていることや実際に体験して分かったことなどをまとめてみました。
移住者として「島で暮らし続ける」ための仕事

移住を検討している方から最もよく聞かれるのが「仕事はどうするの?」という質問です。実際、わたし自身も移住前はこの問題が一番のネックでした。
わたしの場合、地域おこし協力隊の任期が終了すれば、自分で生計を立てる必要があります。家族で移住してきたので、着任当初から任期終了に向けて、スキルアップや事業化を見据え、リモートワークを収入の柱の1つにすべく動いてきました。
今でこそ、パソコン一台あれば生計はなんとかなります。
(ちょうど2年くらいかかりましたでしょうか。)
現在のクライアントは東京や大阪の企業が中心で、取材、執筆、セミナー登壇などを通じて、島にいながら都市部の仕事を請け負っています。
このリモートワークという働き方が、縁もゆかりもなかった土地で「島で暮らし続ける」という選択肢を、現実的なものにしてくれたと言ってもよいかもしれません。
「外貨を稼ぐ」という発想が生んだ価値観の転換

移住してから芽生えた新しい価値観があります。
それは「外貨を稼いで内需を回す」という考え方です。
移住前に住んでいた東京時代は、できるなら固定費を下げて生活を楽にしたいという思いが強く、まさにこれが移住の動機でした。
しかし実際に島で暮らし、島外からお金を稼げるようになると、新しい感覚が芽生えてきました。
それは「稼いだお金をどう使うか」への意識の変化でした。
知り合いのカフェで食事をしたり、地元の商品を購入したりする際に、「自分の支出が誰かの売上に直結している」と思うようになってきました。
東京時代ももちろん同じだったのかもしれませんが、支払った相手の顔が見える機会はそれほど多くありませんでした。そうした意識自体が、当時はなかったのだと思います。
移住した今、ここでは顔の見える関係での消費が増えました。
すると不思議なもので、「もっと稼いで、もっと地域にお金を回したい」という気持ちが強くなってきたのです。
リモートワークには落とし穴もあります

一方で、リモートワーク中心の島暮らしには注意すべき点もあります。
家でできる仕事ばかりをしていると、どうしても地域との交流が減ってしまいがちです。納期に追われて家に引きこもってしまう時期もあり、せっかく島に移住したのに地域とのつながりが薄くなってしまうことも時期によってはありました(笑)
リモートワーク1本でもいいのですが、個人的にはやはり地域とつながる仕事ももっていたい。

と、今はそう感じているので、地域おこし協力隊からの取り組みを継続して、民泊事業の開業に向けて、並行して準備を進めています。
今後は「外貨を稼ぐ事業」と「地域とつながる事業」の二足のわらじで、バランスを取りながら島暮らしを充実させていこうと考えています。
おわりに:移住を検討している方へのメッセージ

移住促進における仕事の問題は社会にとっても個人にとっても大きな「お題」と言えるでしょう。
リモートワークのような多様な働き方が広がってきたことにより、偏見や違和感を持たれるような目はもはやなくなりました。コミュニケーションツールも発展し、どこで働くかを選べる時代になりつつあります。
リモートワークをしている側の移住者としては、これから移住を検討されている方には、ぜひ「どこでもできる仕事」のスキル習得をおすすめしたいと思います。
(もちろん、向き不向きもありますが…)
それは移住を実現させるだけでなく、移住後の充実した暮らしの基盤となってくれるはずです。
今後もこうした働き方の具体例も含めて、リアルな島暮らしの様子をお届けできればと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。