相談員ブログ

キャンプ場経営をやってみた

こんにちは、あるいはこんばんわ。相談員の田畑です。

最近、いかがお過ごしですか?私は4月5月とキャンプ場に通い、管理人として初めてキャンプ場経営をやってました。これが結構貴重な体験だったので、今回は我が町の「吹上浜キャンプ場」を紹介しがてら、仕事の中身について書いていきます。

なぜ、キャンプ場の管理を?

「吹上浜キャンプ場」は南あわじ市の市営キャンプ場で、開業は1965年。今年で59年目を迎える老舗です。

40年以上通ってくれている常連さんもいて、連続テレビ小説「まんぷく」や「カムカムエヴリバデイ」、最近ではテレビドラマ「たとえあなたを忘れても」、映画「とんぼ」のロケ地にも選ばれるほどきれいな吹上浜に隣接しています。
波の音が心地よく、また大見山から吹き下ろす風が涼しげな絶好のロケーションで、キャンプサイトも松の林間と砂浜の両方を楽しむことができます。

そして、このキャンプ場の管理・運営の全般を私が住んでいる「吹上町」が南あわじ市から委託されており、これまでは地元に住むご夫婦に業務を10年以上お任せしていました。そのご夫婦が一身上の都合で今年の3月いっぱいで退職し、後任が見つからなかったので、とりあえず町内会メンバーで運営することになりました。

でも、普段は農家やサラリーマンなど別の仕事で忙しい人たち。
唯一、平日の昼間でも時間があり、Wi-Fiさえあればどこでも仕事ができ、しかも本業が経営コンサルタントの私。。。
そりゃ、白羽の矢が立つのも当然ですよね。と言うことで、私なりのキャンプ場経営をスタートさせました。

~松林が人気のサイト

~砂浜が人気のサイト

~こちらも波の音が心地いい、人気のサイト

やってビックリ!キャンプ場経営

キャンプ場の主な仕事は予約の受付と接客、あとは掃除・掃除・掃除。無数に落ちている松ぼっくりを拾い、枯れた松葉や海岸から流れ着いたゴミを拾い、そしてお客が出した各種ゴミを回収して捨てる。他にもトイレ掃除や炊事場の掃除、草刈りや枝打ちなどなど、快適なキャンプ場を維持するためにやることがてんこ盛りです。

特に、ゴミの分別とトイレ掃除は心が折れます。

初夏の涼しい爽やかな風が吹き抜け、波と鳥の声しか聞こえない清々しい朝に、悪臭とコバエに辟易しながら近所の野良猫がかき回したゴミを集め捨てるを繰り返す (T_T)。

と、こんな風に書くと昔ながらの「キツイ、キタナイ、キケン」3K職場のようにも聞こえますが、時間にすれば30分程度の作業だし、しかも連休中は他の町内会メンバーが率先してやってくれていたので、私は楽させてもらってました。

~付近にはゴミ以外に、こんな漂流物も

キャンプ場にデジタル化と経営革新を!

さて、このキャンプ場、コンサルタントの眼から見ると色々と気になることがあります。

まず、現金決済のみ。そして予約も当日の受付チェックもすべて手書きのノートを活用。そう、、、アナログなんです。

こんなのを目の当たりにすると、コンサルタントとしての血が騒ぎます。

まずは決済方法にキャッシュレスを導入しました。いくつかパンフレットを眺めて、私自身が使いやすいと感じた、とある会社の端末と契約しました。行政書士の仕事は振込だけなので、キャッシュレス決済の導入はもちろん未経験。契約会社に言われるがまま、手探りで必要書類を集めて、何とか契約までこぎつけました。実際に導入してみると、クレジットカードやPayPayが使えることにお客さんの方が驚いており、デジタル化その1を無事に達成しました(#^.^#)。

次に手を付けたのが、パソコンを使った業務の電子化です。これまでノートに書いていた内容に+α の情報が打ち込めるよう管理簿を作成し、手計算だった会計も宿泊人数などを打ち込むだけで自動計算できる集計表を作成し、毎日の作業人員をチェックするためのシフト表を作り、バイトの給与明細、現金出納帳、サイトマップなどなど、、、誰が関わっても同じルールで対応できる、いわゆるマニュアル化を進めました。その効果なのか、アルバイトの人たちもスムーズに業務が進められ、現場で大きな混乱やお客さんに迷惑をかけることは、今のところ出ていません。
これまでノートパソコン1台だけだったのに、いつの間にかパソコン2台、タブレット1台にレーザープリンターとレシート用プリンターまで備えてデジタル機器も充実してきました。デジタル化その2も完了です。

そして最後がレイアウト変更。手書きからパソコン使用へ、キャッシュレス決済用の新たな端末の導入などに伴い、受付・事務スペースのレイアウトを大幅に変更しました。その中には、カウンターテーブルを設置するために床のコンクリートに穴を開けたり、各種ケーブルを通すためのモールを貼り付けたり、監視カメラ用のモニターを受付から見えるように設置したりと、素人丸出しのDIYで一応やり遂げました。出来栄えはイマイチですが、まあ良しとしましょう。

~見た目はオンボロでも、中には最新の機器たち

毎日、笑顔に

この仕事で一番の楽しみはお客さんとの何気ない会話です。キャンプ場に来るお客さんは千差万別。北は北海道から、南は沖縄からもやってきます。

お客さんに書いてもらった宿泊台帳を見ながら、

『北海道からですか?長旅ご苦労様です』

なんて話しかけたら、向こうは1日中バイクに乗っていて誰とも喋ってなかったのか堰を切ったように話し出します。

『敦賀までフェリーで~。そこから5時間かけて~~。今日は天気が良かったから、新緑が奇麗で~~~』

聴いているこちらもホッコリします(*^_^*)。

また、便利な世の中になったなぁ、と感心したのはお客さんが購入した荷物がAmazonでキャンプ場に届いた時でした。宅配便の方が受付まで荷物を運んでくれて、それを私が泊まっているお客さんのもとに持っていく。

『ありがとう~。それ、待ってたんよぉ~』

何故かご家族全員から拍手されながら、頑丈な箱に入ったものを渡して、ちょっとした雑談。家に忘れたキャンプ道具を取りに帰るのが面倒で買ったみたいです。

こんなコミュニケーションがとても心地よくて癒されます。
ペンション経営が人気なのも、お客さんとの会話が楽しいからなんでしょうね。分かる気がします。

~昔はウミガメの産卵地だった吹上浜

これで、ひと段落

こんな風にキャンプ場経営にどっぷりと浸かっていた4~5月でしたが、やっと軌道に乗ってきました。

キャンプをしない私がキャンプ場経営の舵取りをすることに不安はありましたが、地元の方々の理解と応援もあって、ここまでは比較的順調に進んでこれたと思います。

そして、この仕事を引き受けたときに町内会に約束したのは、いつまでも町内会メンバーが運営に携わるのは無理なので、期限を決めて後任者を育成することでした。その期限が5月末まで。

それも概ねクリアしました。6月からは新しいスタッフだけで運営できる体制が出来上がったので、私の出番もグッと減ることになるはずです。これからは見守り役として、キャンプ場を応援していきます。

こんな経験ができたのも、移住したからなんでしょうね。とても貴重な時間でした。

 

さて、次は何をしようかなぁ~。

この記事を書いた人

田畑尊靖

田畑尊靖

転勤で福井や東京などで暮した結果、静かな田舎暮らしに憧れて東京脱出を計画。どこでも仕事ができるように中小企業診断士や行政書士の資格を取ってから2021年9月に南あわじ市に移住。今はコンサルタントとして起業し、地域の人たちの「法律と経営の街医者」的な存在として様々な相談を受けている。(https://tbt-asml.com/)

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