相談員ブログ

データで見る淡路島の医療事情

こんにちは、あるいはこんばんわ。相談員の田畑です。
とあるラジオ番組で『50代は病気の話に詳しい人がモテる』なんて言っていました。確かに、50代になって「どこの病院がいいか」や「〇〇なら、□□病院の▲▲先生がいいらしいよ」なんて話題が増え、その情報価値が上がっているような気もします。
と言うことで、今回は淡路島の病院に関するお話をしていこうと思います。
ちなみに、20代はルックスやおしゃれ、30代は中身(人間性)、40代は美味しいレストランや良い時間の過ごし方を知っている人がモテるらしいです。知らんけど、、、

※今回の記事は「地域医療情報システム(JMAP) 兵庫県 淡路医療圏」のデータを基に筆者の感想を交えて記載しています。
 詳細はこちらのURLをご参照ください(https://jmap.jp/cities/detail/medical_area/2810

 

淡路島の病院事情

地域医療情報システム(JMAP)によると淡路島にある一般診療所の数は108か所で人口10万にあたり84.81施設あります。全国平均が68.69なのでかなり充実していると言えます。
特に外科や小児科は全国平均を35%以上も上回っており、数字上は不便を感じないように思います。また、病院の数も11か所で10万にあたり8.6と全国平均の5.2を上回っています。
一方で、精神科系診療所は全国平均を大きく下回っていたり、皮膚科や耳鼻咽喉科も全国平均をわずかに足りず、専門分野の診療所は都会よりも不便を感じるかもしれません。

また、気になる産婦人科診療所も全国平均は上回っています。それでも時折り地元の方から『島内での出産はちょっと…』なんて声を聞くこともあります。そのためか、令和6年8月に新規開院したクリニックもあり、これからもっと良くなるのかもしれません。


兵庫県産婦人科学会ホームページより抜粋

 

薬局事情

薬局も結構あります。島内で70カ所、10万人当たり54.97で全国平均の48.92より6ポイントも上回っています。ドラッグストアも洲本に9店舗、南あわじ市と淡路市にそれぞれ7店舗と島内に23店舗もあります。
兵庫県内(神戸市を除く)で比較してみると、人口1万人当たり洲本市は2.18店、淡路市は1.67店、南あわじ市は1.59店といずれも県内平均の1.48を上回っており、比較的容易にお薬が手に入る環境にあると言えます。ちなみに、洲本市は県内3位の比率でドラッグストア競合エリアになっています。

 

もうちょっと深掘り

病院の数は他地域に比べても遜色ないことが分かりましたが、病床や医師の数はどうでしょう。
島内の病院病床は1,939床、10万人あたり1522.7床と全国平均の1064.3床の1.5倍近い病床を備えています。なかでも長期にわたり治療を必要とする患者向けの「療養病床」は10万人あたり669床で全国平均の約3.5倍。年をとってから大病を患ってもベッドの数には余裕があるようです。
また、医師の数も全国平均を上回っており、一人ひとりの話をじっくり聞いてもらえるのでは???

 

介護施設は?

ここまでは医療分野の比較的いい話をしてきましたが、続いて介護施設の話。こちらは弱いと言えそうです。
島内の介護施設は263カ所で、75歳以上1,000人あたりの施設数は10.39です。これは全国平均を20%以上下回っています。ただ、定員数は全国平均を若干上回っているので、施設の選択肢は少ないけど入所できるところはある、といったところでしょうか。
また、介護職員も全国平均に比べるとやや不足気味です。まあ、そもそも介護職員は全国的に足りていないので、島内だけが充実していることはあり得ないとも思いますが、人手不足には違いないようです。

 

介護の話をもう少し。下図は各年の医療と介護の需要量を以下の方法で計算し、2020年の国勢調査に基づく需要量=100として指数化したものです。
 ・各年の医療需要量=0~14歳×0.6+15~39歳×0.4+40~64歳×1.0+65~74歳×2.3+75歳~×3.9
 ・各年の介護需要量=40~64歳×1.0+65~74歳×9.7+75歳~×87.3

これで見ると、淡路島の介護需要は今後5年間は上がり続け、その後は緩やかな下降線をたどっています。と言うことは、介護に関する仕事の需要も今後5年間は上がり続けることが予測され、求人募集は絶えないと思われます。淡路島への移住を考えている介護職の方々は引く手あまたかもしれません。

 

まとめ

今回は中高年以上で移住を検討している人が気になる医療事情について調べてみました。

データで見るとそれなりに充実しているようにも見えますが、実際に住んでみるとそこまでとも感じません。恐らく、今回の分析で目を瞑った面積が影響しているのだと思います。島とは言え、それなりに広い土地なので、一部の地域を除いて病院も薬局もドラッグストアも全部車での移動になります。利便性で考えるとやはり都心の駅前にはかないません。

でも、いざという時に駆け付けられる施設はそれなりにあり、入院を断られるほど込み合ってもいないようなので、ある程度の安心感は得られるのかなぁ、、、と思いました。

島内で暮らして3年と9ヶ月、病院にはぎっくり腰と歯石取りにしか行ったことはありませんが、明日の自分のためにも、もう少し意識的に観てまわった方がいいのかもしれませんね。

この記事を書いた人

田畑尊靖

転勤で福井や東京などで暮した結果、静かな田舎暮らしに憧れて東京脱出を計画。どこでも仕事ができるように中小企業診断士や行政書士の資格を取ってから2021年9月に南あわじ市に移住。今はコンサルタントとして起業し、地域の人たちの「法律と経営の街医者」的な存在として様々な相談を受けている。(https://tbt-asml.com/)

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