相談員ブログ

起業を目指す人たちへ~SDGsの取組み~

こんにちは、あるいはこんばんわ。相談員の田畑です。

職業柄、研修やセミナーなどで話をする機会があるのですが、ここのところリクエストが増えているのがSDGsに関する内容です。
特に淡路島が属する兵庫県は日本でも指折りの力の入れようで、色々な取り組みをおこなっているためか事業者も県民も比較的関心が高いように感じます。

そして、移住を志す方が最初にぶつかる壁が「住まい」と「仕事」。なので、今回は「仕事」のなかでも「起業」に関してSDGsの話を交えながら、心構えと言うか備えておくべきことを書いていきます。

 

そもそもSDGsって何

「SDGs」というワードはほとんどの方が耳にしたことがあるし、多くの方がその概要や取組みについても理解していると思います。
と言うのも、少し前の朝日新聞社の調査によると、SDGsについて知っている人は全国調査で87.0%、東京・神奈川エリアで88.7%と圧倒的な認知度の高さです。例えば、高校生に大学の名前を言って87%以上の人が知っているのは早稲田大学と東京大学くらい。小学生に白地図を渡して、都道府県の場所を正確に指せる割合で80%を超えるのは北海道と沖縄、あとギリ青森くらい。
これらのデータは調査方法にもよるのでどこまで正確性を問えるか疑問なところもありますが、それらを差し引いてもSDGsの認知度の高さには驚かされます。
ちなみに、出元は忘れましたが、関東で聞いた和歌山県の認知度が86%くらいだったそうです。(関西での認知度は当然、96%以上だったと、、、)

それくらい認知されているSDGsなので、ここであえて『SDGsとは、、、』なんて解説は辞めておきますが、一言だけ。。。

商売している人、これから商売をする人、SDGsはとても重要です!次からその辺を書いていきます。

 

何がそんなに重要なの?

このブログを読んでくれている人たちの年齢性別やどんな暮らしをしているかは分からないのでここからは推測ですが、おそらく中学生や高校生など10代の人はほとんどいないはず。なので、多分メインの読者層だと思われる40代~60代にとっては理解しがたいのですが、今の10代のSDGsに関する意識はもの凄いものがあります。

それもそのはず、今はSDGsについては中学校や高校の授業でも取り上げられていて、その効果なのか、SDGsに関するテスト結果を年代別で見てみると、10代が他の年代より成績がいいんです。しかも群を抜いて!


↑朝日新聞社 第9回SDGs認知度調査より抜粋

平均点で見ると他の年代とダブルスコアくらい違うし、満点を取った人の割合は他の年代の3倍くらいいます。つまり今の高校生にとってはSDGsに取り組むのは至極当然で、我々のような社会人と言うか壮年・中高年の意識が低すぎることを気付かされます。
今の10代は買い物をするときに、その会社がSDGsに取り組んでいるかを考慮する人が半分以上いるそうです。この子達も今は親からもらうお小遣いが消費の主な源泉かもしれませんが、あと5年もすれば自ら稼いで使う、、、消費の中心的存在になってきます。

なので、売り手側の意識も変える必要があります。特に若者相手の商売は。


↑今の10代も10年後は20代。消費の中心的存在になる

 

移住して商売を始めようと考えている人たちは、自身のビジネスとSDGsを紐づけて考えておくことで5年先10年先も若者を中心としたお客さまから選ばれる明るい未来が描けると思いますよ。(本音で言うともっと厳しい表現にしたかったけど、、、)

買う側の立場になると、、、

商売をする人も普段の買い物では立派な消費者です。なので、これから起業を目指す人も一人の消費者として考えてみてください。

「SDGsに沿った商品やSDGs活動に熱心な企業のサービスは、どれくらいの価格差なら買いたくなりますか?」

これはSDGs活動に取り組んでいる会社の商品・サービスを他の商品と比べて「高くても買う」「同じくらいなら買う」「安ければ買う」でアンケートをとった結果なんですが、「高くても買う」人は4人に1人程度でした。ただ、これに「同じくらいなら買う」人を足すと、3人に2人がSDGs活動に熱心な会社を選ぶと答えています。
つまり、他社の商品と価格が同じでもSDGsに取り組んでいることを知ってもらえれば、それだけで自社の商品を選んでもらえる、、、ってことになります。

う~ん、これもどこまで信じるかは置いておいて、差別化がしにくい商品やサービスを取り扱っている会社にとっては目から鱗かもしれません。スーパーにたくさん並んでいる、例えばバナナに、「甘い!」とポップを書くより、「この農園はカーボンオフセット(CO2排出量を実質ゼロ)しています」と書いてある方が選ばれるかもしれない、、、と言うことになります。また、淡路島で乱立しているCafeも、見た目(映え)に力を入れるだけではなかなか差別化できないので、「当店はフェアトレードで仕入れた豆を使っています」、、、など、行動的で感受性の高い10代20代に刺さるのはSDGsの取組みをPRすることかもしれません。

にわかには信じがたいことですが、アンケート結果はこのように読み取れます。

こんなデータを知ってか知らずか、中小企業も半数以上はSDGsに取り組んでいるか、もしくはこれから取り組もうと思っているようで、意識が上がっているのは間違いないようです。

 

まとめ

今回は淡路島に移住してから何かしらの起業を考えている方々に向けてのお話でした。以前にも書いたかもしれませんが、サラリーマンをやるなら田舎より都会、淡路島より大阪・神戸の方が職種・募集人数・給与などの条件面で圧倒的にいいと思います。でも、自分で新しい事業をやりたいのなら淡路島はとてもチャンスの多い恵まれた田舎です。

起業に年齢は関係ありません。サラリーマン生活に疑問を持っている方へ、淡路島に来て新たな一歩を踏み出してみませんか?

この記事を書いた人

田畑尊靖

転勤で福井や東京などで暮した結果、静かな田舎暮らしに憧れて東京脱出を計画。どこでも仕事ができるように中小企業診断士や行政書士の資格を取ってから2021年9月に南あわじ市に移住。今はコンサルタントとして起業し、地域の人たちの「法律と経営の街医者」的な存在として様々な相談を受けている。(https://tbt-asml.com/)

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