赤に黄色・・みごとな紅葉のカーテンをすり抜けながら山道を爽快な気分でドライブ。今回の取材先は、淡路市岩屋、淡路島公園の近くに位置するIさん宅です。秋晴れの日差しと同じくらい優しい笑顔でIさん(72才)と奥様(66才)が迎えてくれました。
Iさんご夫妻とこの地との出会いは約30年前。まったくの自然に囲まれたいという思いから、開発された分譲地ではなく、まさの山の中の一軒家を別荘として購入。
ご自身が経営する貿易会社の保養所として、また海外からのお客様を迎えての宿泊所として使ってきました。ホテルに泊まるよりずっと喜んでもらえる、とIさんがおっしゃるのもごもっとも。木々に囲まれたこんな環境の中でのお泊りなんて、誰だってワクワクするはず。何よりのおもてなしになりますよね。
7年前には、引退を機にお家をバリアフリーに改築。お2人の本格的な淡路暮らしが始まりました。
相変わらず海外からのお客様を迎えたり、趣味の旅行に出かけたりと多忙なIさんたちですが、それ以上に忙しいのは庭の手入れです。驚くほど広いお庭ですが、それだけでなく、近くの公道のごみ拾いや草刈にも余念がありません。
Iさんのお話の中に出てきた「ボランティア精神の大切さ」という言葉。
自分の敷地だけではなく回り全体の環境を美しくという心がけは、まさに身をもっての実践、本当に頭が下がります。
そんなIさんご夫妻が、フランス訪問の経験から提唱するのは「ツール・ド・淡路」です。
明石大橋にサイクリスト専用道をつけ、淡路の山の尾根伝いにサイクリング道を作り休憩できる店が開けば、もっと多くの人に安全にサイクリングを楽しんでもらえると。もちろんそれが淡路の活性化につながるのでしょうね。
そのためにも、その前にも必要なのはもうひとつのご提案「スマイル淡路」でしょうか?
「淡路の店や公共施設では笑顔で迎えられたことがない。」と奥様がこぼします。これが島国根性というもの?知らない人には警戒心が強いといわれる所以ですね。
また淡路で新しく住み始めた人たちへのケアやインフォメーションも少ないとのご指摘。
なるほど、「いなか暮らし応援」の活動をする私たちも反省すべき部分かも知れません。
先月訪れたクロアチアの民宿でのおもてなしの素晴らしさを振り返るIさんご夫妻。決して自慢げに話されるのではなく、自然と話題が海外へと広がっていく中で、本当にたくさんのアイデアが飛び出してきます。
世界中を見てきたIさんご夫妻。 その中で淡路の環境が一番とおっしゃるのは嬉しい限りです。
淡路にはかなり珍しく貴重な存在のお2人ですが、新しい風をどんどん吹きこんでいただき、もっともっとお知恵を拝借したくなりました。
そして、私たち若い者(!?)がそのアイデアを生かせていかなくてなりませんね。
取材日:2011年02月08日