淡路市の尾崎地域といえば、海あり山あり、海苔や魚の海産物やトマトを始めとする農作物でも有名です。そして近くの「パルシェ香りの館」「パルシェ香りの湯」は観光スポットとして、また地元の温泉ファンの間で人気を集めている施設です。
その辺りをちょろちょろ運転していて見かけたことのあるステキなお家。そこが偶然にも今回取材させていただくことになった、Hさんご夫妻のお宅でした。
初めてHさんの奥様T子さんにお会いしたのは2ヶ月前。田舎暮らしの取材をかれこれ半年こなしてきた私の目に狂いはありませんでした。
「もしかしてどこか街から淡路へ越して来られたのですか?」
いきなりの質問に、「なんでわかるの?2年半前に来たのよ!」と明るい笑顔で答えてくれたT子さん。わかりますとも!明るくて、楽しい大阪のおばちゃんオーラがバンバン出てます!
魅力的なこの人にどうしてもお話が聞きたい!と、取材を申し込んだところ、「それなら、まずはお茶飲みに来て!遊びに来て!」と温かいお返事。いつも眺めるだけだったステキなお家を目指すことになりました。
お家に着いて改めて周りを見回すと、景色もよく空気もさわやかで本当に「自然に囲まれた住まい」という感じがします。
出迎えてくださった長身でハンサムなご主人が、「海が見える場所に住みたかった。」とおっしゃる通り、ダイニングの大きな窓からは西浦の海が見えます。
確かに、冬の西浦の寒さは有名ですが、このお宅には別の温かさが充満しています。
お家のあちこちに手作り作品やご家族の写真が飾られています。
お菓子作りがお上手との噂どおり、T子さんがおいしそうな手作りケーキを切ってくれている間に、お主人がコーヒーを淹れてくれました。「ケーキを焼いても2人で食べきれないから、ご近所の人にも食べてもらったりするの。」
うまい具合に、話題がご近所付き合いの話になりました。気になっていた部分です。淡路の人は街から来た人を「よそもの」扱いしませんか?という意地悪な質問をするまでもなく、逆にお2人が住むこのお家が、地域の農家のおじいちゃんやおばあちゃんの憩いの場になっていることに気がつきました。
取材中にもご近所の人が立ち寄ったようですが、私のせいで追い返されたのでは・・・と心配。「みなさん、いつでも気軽に立ち寄ってくれるんです。都会のマンションにいた頃のように電話での約束なんて、ここでは無いですね。」と笑うお2人です。
実にほほえましいお話ですが、それはきっとお2人の心がけやお人柄のおかげだと感じます。引越しが好きなHさんご夫妻はこれまでもそれぞれの地域でボランティア活動に参加してきました。それぞれの場所での暮らしを楽しみ、友達を増やしながら、地域に溶け込む素質をお持ちのようです。
淡路でもお2人共通の趣味であるダンスのレッスンの合間に、地域高齢者交流サロンでのボランティアにも通っています。これからもますます交友関係が広まりそうですね!
淡路暮らしを考える人には、本を読んだり、リサーチして行き先を決めるのではなく、感性で決めることをお勧めするというHさん。そして自分から壁を作らずその地域の人々の慣習や考え方を尊重し、楽しむことが大切だとも。
このようにリラックスした生活を楽しんでいるご夫妻。家の周りではもっぱら花やお庭の手入れを楽しんでいるようですが、近所の人からもらったり、安価で求めた野菜をよく食べているといいます。これからも元気いっぱい、お2人仲良く淡路暮らしを楽しんでくださいね!
取材日:2011年02月08日