大森さんが淡路市東浦町に移住して来たのは2008年3月のこと。子どもさんが生まれるのを機に、なんと一人でとっとと決断し実行に移したのだとか。赤ちゃんを抱いた奥様はさぞかし驚いたことかと思いますが、前々からお2人で考えてきたことでもあるようで、心構えもできていたのでしょう。そして、きっとうまくいくという確信も・・・。というのも、大森さんは淡路へ来るまでの約5年間に有機肥料の会社や農場での経験と実績をつんできた、かなりのつわものだったからです。
そして、トマトづくりに向いている温暖な気候、日射量の多さから、淡路島の東浦が一番よいと考え、農地を探したのだといいます。あちこちに相談した結果、見つけたのが現在トマト栽培に使っているガラス温室です。また、住まいは畑から車で5分ほどのところで、不動産屋さんを介して見つけられたそうです。
と、順調にことが進んだように思えますが、その昔カーネーション栽培に使われていた温室の内外は、草にまみれ、覆われ、簡単にトマト栽培を始められた訳がありません。「普通の人やったら、借りようとは思いませんよ。」と振り返る大森さん。
ただ、温室の向かい側にある作業場の裏には、時折海風が吹き上げてきて、ひととき暑さを忘れさせてくれます。このさわやかな海風も大森さんのお気に入りのひとつです。「淡路はいいですよー!」と力をこめてその自然や食材の豊かさを絶賛します。
地域や農協青年部での付き合いをはじめ、移住仲間とのネットワークを通して、とても有意義で楽しい生活を送っています。農園で開いたお見合いパーティーでは3カップルの誕生という成果に感心せざるを得ません。
そんな企画力の上に、農園のブログの更新にも力を入れています。トマトを買ってくれた人がブログを見て、トマトの成長の様子や大森さんの日々の暮らし、子どもさんの成長を見て、応援してくれる。そんな温かいつながりを大切にしているからこそ、日々の更新は欠かさないのだといいます。
取材日:2011年02月08日