梅雨空け間近、淡路島は本格的な夏を迎えようとしています。海のファンにとっては待ちに待った季節の到来です。今回の取材相手は、やはり海が好きで淡路島に移住した奥土孝之さん(48才)です。
奥土さんが淡路島に越してきたのは今から約10年前。それまでは奈良に住みながら出身地である大阪でヨット修理の仕事をしていましたが、海が恋しくて淡路島への移住を考えたといいます。
ヨットと言えばもちろん海。奥土さんが海好きなのにも頷けますが、そもそもヨットとの出会いはどんなことからなのでしょう・・・。
高校の機械科に進学した奥土さんは、担任の先生に影響を受けヨットを自作するまでになりました。「もともとモノ作りが好きだったから・・・」と控えめにいう奥土さん。自作の小型ヨットの進水式の思い出を振り返りながら楽しそうに語ってくれます。
「勝手に行って来い!と先生にいきなりヨットを蹴飛ばされたんです。」当時全く初めての体験で無事帰れるのか不安だった高校生が、今では海の楽しみを人に紹介する職業に就くまでになりました。そのツールがヨットというわけです。
奥土さんは、現在、淡路市佐野の自宅兼工房でプレジャーボートやヨット修理の仕事をする傍ら、ヨットの体験教室への参加も呼び掛けています。洲本市の炬口港に停留しているヨットで家族や知り合いはもちろん、一般の方にもヨットでのクルージング体験を通して淡路島の海を楽しんでもらいたいといいます。
その案内チラシのモデルはご自身のかわいい子どもさん達。高校2年生になる娘さんとはチームでヨットレースに出場したこともあります。
振り返れば、奥土さんも高校時代にヨットを初体験。その後20才の時にはマイヨットとして小型のクルーザーを購入。26才で手に入れたヨットは今でも大切にしています。
一般の方に宣伝しているクルーズ体験のヨットは、3隻目として購入した26フィートの「きじむなー」号(沖縄の言葉で妖精)。営業というよりも「ヨット人口を増やしたい」という想いからで、平日の割引料金も設定されていて良心的です。
大阪湾と比べるとずっと透明度が高いという淡路島の海を、一人でも多くの人に楽しんでもらいたいと力を込める奥土さん。その横を爽やかな海風が通り抜けます。
そしてその足元から仕掛けられた海中のタコつぼにはおみごと!2杯のタコがかかっていました!手際よくタコの下処理をする奥土さん、これは家に持って帰って奥様に怒られないようにとの心がけだとか・・・。
さて、いったいご家族は淡路暮らしについてどう思っていらっしゃるのでしょう・・・?「奈良で住んでいた時も田舎にいたので、淡路で不便を感じることはない。京阪神にも近くて便利で暮らしやすい。」とおっしゃる通り、海はもちろん山や自然にも恵まれ、子どもさん達ものびのびと成長してくれることでしょう。
そんな3人の子ども達や奥様、ヨット仲間といつかヨットクラブを作りたいという奥土さん。穏やかで落ち着きのあるお人柄で、ヨット仲間らから相談を受けるのも信頼されている証拠です。今後、ヨットの輪が益々広がりヨットクラブの立ち上げが実現するのもそう遠くない気がします。
取材日:2012年07月08日