自然豊かな山々でウグイスが鳴き、海沿いの町にイカナゴの釘煮の香り漂う淡路島。
春一番は島の中ほどにある住宅地の一軒でのインタビューからです。
迎えてくれたのは淡路暮らし2年目のTさん(40才代)ご夫妻です。出身は関西ですが、淡路島への移住までは関東で暮らしてきました。大手企業のサラリーマンとして勤めてきたTさんはこれまでにお仕事でもプライベートでも海外に出かけることが多かったといいます。
そんな中、「いつか独立したい。」という気持ちを持ち始めますが、奥さまの理解が得られるのかという点で不安がありました。同じように都会で働いてきた奥さまですが、Tさんの考えを聞き反対するどころか、都会から離れることに賛成したのだとか・・・。
「日本のすごさを世界に発信したい。」海外を見てきたTさんが持つ思いに「それならば都会にいなくてもできること」と田舎への移住を後押しした奥さま。2人で地図を広げ考えた時に、明石海峡大橋で本州とつながっていて京阪神へのアクセスが良く、これまでの印象も良くて縁を感じたのが淡路島だったのです。
日本各地や海外へもどんどん出て行こうとの考えから、当初は「簡単な小屋のような家でも建てようか。」と考えましたが、信頼できる不動産会社や建築会社との縁にも恵まれ、現在のステキなお家が完成しました。
それまでにはもちろん淡路島を一周して中古物件や土地を見て回り、土地の購入を決意した後も、移住するまでにもっと時間がかかるだろうと思っていたところ、地図を広げた頃から移住までの期間はわずか1年半。一番初めに相談を受けた「あわじ暮らし総合相談窓口」の相談員さんも驚くほどの速さでしたが、「縁があってこそ」と爽やかな笑顔を見せるご夫妻。人とのつながりを大切にするお2人のお人柄の良さが感じられます。
移住当初は経済的な面や人間関係の面でも不安がゼロだったわけではありませんが、開発された住宅地なので、時に難しいとされる田舎の付き合いなど心配はありません。むしろ海や山がすぐそばにあり、食卓に美味しい食材が並ぶ淡路島での生活をご夫妻で楽しんでいる様子。NPO法人あわじFANクラブによる移住後フォローのおかげで、島内の友達も増えたと満足気です。
地域の公民館講座で中国語を学び始めたというTさんは、仕事の面でもサイト運営などIT関係のお仕事も順調のようです。また、友人のビジネスを手伝ったり、地方をベースにした活動にも関心が出てきて淡路島のNPO法人が運営するブログの記者となったりし、多方面で活躍を始めています。
愛犬を残しての海外旅行は難しいので、しばらくはゆっくり淡路島に腰を据えて田舎暮らしを楽しんでくださいね!お2人のこれからのご活躍を楽しみにしています。
取材日:2016年03月15日