立春を迎え淡路島のあちこちに梅や菜の花が咲き始めました。春を追いかけて淡路島の最南端、南あわじ市阿万(あま)へ…今日はペンションKIMIハウスでインタビューです。
人気の高い阿万海水浴場のすぐ近く、海と山の自然に恵まれたこの地区は夏に多くの海水浴客を迎えますが、地元住民の減少や過疎化が進み、冬場には少し寂しい感じもします。
そんな土地を元気にしたいと願う山濱幸さん(61才)・喜美子さん(62才)にあわじ暮らしについて、そしてペンションへの思いを伺うことにしましょう。
共に愛媛県の宇和島出身で同級生だったというお二人が、偶然再会したのは就職し働き始めた大阪でのことでした。
結婚から数年後には三重県名張市に暮らし始めましたが、濱幸さんは実に30年間名張から大阪まで通勤し、大手厨房機器メーカーの営業マンとして活躍してきました。
そんな濱幸さんが3年後に定年を迎えるという頃、取引先のお客さんから持ちかけられた話が今のあわじ暮らしのきっかけとなりました。
「淡路島でペンションをしないか?」・・・定年後には何か新しいことをしたいと考えていた濱幸さんにとっては魅力的な話だったのでしょう。話を聞き予算的にも何とかなると判断、「せっかくのご縁だから。」と移住、ペンション経営を決心します。
ところが濱幸さんの計画に喜美子さんは大反対!「できない!」と一蹴するものの、「できることだけでいいから。」と説得され徐々にその気になってしまったようです。
かくして定年までの3年間、何度も通い元フランスレストランであったその建物の改修に注力しました。厨房や各部屋の改装、内外の塗装、食器や備品の購入・・・おかげで現在10部屋、20名以上の宿泊が可能となりましたが、経費は想定外に高くついたとか。「ペンションがここまでお金がかかると思っていなかった。」と苦笑いする濱幸さんですが、冗談好きで明るく楽しいお人柄はお客さんにも安心感を与えることでしょう。
「人様のために料理なんてしたことがなかったのに・・・。」といいながら出してくれた喜美子さんの手料理は地元の漁師さんや産直の店から仕入れたた新鮮なものばかりで、どれもが絶品です。落ち着きがあっておしゃべりも上手でお客さまとのお話も弾むこと間違いなしです。
あわじ暮らし2年目。移住前から近所の人が声をかけてくれたことが嬉しかったと振り返るご夫妻。田舎の人間性が心地よいといいます。「地元の人にももっと気軽におしゃべりに来てほしい。」と、最近はランチやティータイム、夕食の準備も始めました。頑張りすぎず、のんびりとやって行きたいというご夫妻。ここでなら、おいしい食事と楽しいおしゃべりが満喫できそうですね!
取材日:2017年02月15日