引き寄せの法則はアートから
岡田淳一さん(36才)とサリー・ハンコックスさん(32才)の出会いは2011年、大阪で開催されたアート関係のイベントでのことでした。イギリス出身のサリーさんがワーキングホリデーで大阪に滞在し日本語を勉強していた頃ですが、同時にアーティストとしても活動中でした。
一方ウェブデザイナーでもあり、アートにも関心の強かった淳一さん。出身は兵庫県明石市で、ご両親は淡路島出身だったため幼いころから淡路島にはなじみがあったようです。
そんなお2人が結婚し、最初の1年はサリーさんのふるさとロンドンで暮らします。ところがそのうち、「都会ではなく、もっとのんびりとした暮らしを求めるようになった。」と淳一さんが振り返ります。
明石のご実家に戻り、田舎暮らしを計画し始めたのが今から2年前のことです。1か月かけて車で四国のあちこちを巡りましたが、帰り道に立ち寄ってみたのが淡路島でした。
都会ではなく、田舎で暮らす
あわじ暮らし総合相談窓口に相談後、すぐに気に入ったのは不動産屋さんに見せてもらった2件目の賃貸物件。現在お住まいのその家は、島の一番南に位置する南あわじ市阿万地区の古民家です。半年ほど誰も住んでいなかった住宅ですが、修理の必要もなくすぐに入居できました。サリーさんの作品が各所に飾られ、今ではお二人のセンスを活かした英日融合のアートな古民家になっています。
素敵なのはお家だけではありません。裏庭には淳一さんが手をかけた木々や花たちが広がりやはり芸術的なセンスが感じられ、同時に癒し感もたっぷりです。
そして家の前の広いお庭はまさにサリーさんの作業場です。スケッチや織物など活動は多方面に及びますが、メインは植物の藍を使った染色です。Tシャツやストール、帽子にバッグ・・・それらにデザインを施し、藍染めの作業を繰り返します。想像力や手間も根気もいる仕事ですが、周りには鳥が飛び、常にそのさえずりが聞こえてきます。都会では望めないすばらしい環境と言えそうですね。
淡路島でゆったり子育て、たっぷり染色
現在、淡路島生まれで1才になる息子さんの子育てに奮闘中の淳一さんとサリーさん。室内や庭でも思う存分遊ばせることができますが、すぐ近くに海水浴場がありこれからの季節にはもってこいでしょう。「淡路島はいいところ。ご近所や子育てセンターでもママ友ができた。」と嬉しそうに話してくれる笑顔の素敵なサリーさん。その傍らには慣れた手つきで息子さんを抱き上げるやさしいパパの淳一さん。今後もアート活動や子育てを通して地域の人とのつながりを広げていくことでしょう。
また、子育てのかたわら英語教室やウェブのお仕事も手掛けるご夫妻ですが、将来的には藍染をメインの仕事にしていきたいといいます。地元のお店からの注文も入ってきていますが、お2人のポップでおしゃれな作品は地元淡路島の「洲本レトロなまちあるき」や明石、神戸、四国など島内外のイベントにも出展されています。淡路島で染められた「藍藍一」の作品に目が離せなくなりそうですね。
動画
取材日:2017年05月15日