旦那さんの転勤を機に、淡路島へUターン
夢のパン教室をオープン
「昔からパンやお菓子作りが好きで、いつか自分の教室を開くのが夢でした」
そう語るのは、パンとお菓子の教室「カフェコパンヌ」を経営する石川ミワさん。高校卒業後、進学や就職で島を離れるも、旦那さんの転勤をきっかけに淡路島へと戻ってこられました。
「まさか淡路島に戻ってくると思っていなかったので、転勤が決まったときは驚きましたが、戻ることに抵抗はありませんでした」
それから、たった半年で自身のお店「カフェコパンヌ」をオープンしたみわさん。
「ありがたいことに、両親が所有するビルが空いていたので、場所探しに困ることもなくスムーズにオープンすることができました」
カフェコパンヌでは、パンや季節に合わせたお菓子作りのレッスンを開催。地元の方だけでなく、ミワさんと同じように、旦那さんの転勤で淡路島へ来られた方の“息抜きの場”としても親しまれています。
「生徒さんの割合としては、地元の方が6割、島外の方が4割。おひとりで自分の時間を楽しみに来られる方もいますし、グループでおしゃべりを楽しみに来られる方もいます。なかには淡路島へ嫁がれて、まだ周りに知り合いがいない方のコミュニティ作りの場にもなっているようです」
パン教室では、初心者も安心の体験レッスンを用意。季節のお菓子作りは、常時SNSで発信しています。
時間ができたらサクッと神戸へ
移動が便利な淡路島
実はミワさんはパン教室の他にも、クライミングジムの「リバストーン」や、自ら講師を務める「ヨガスタジオ38」も同ビル内で展開。
“旦那さんがやりたいと言うので作りました(笑)”と話すクライミングジムには、常連の地元小学生クライマーの姿もありました。
興味のあることをどんどん形にしていく、とてもタフなミワさんは、休みの過ごし方もやっぱりタフ。じっとしていられず、あちこち遊びに行くのが楽しみなのだそう。
「淡路島に戻ってきてから、都会みたいに気楽にお酒や食事を楽しめるお店が少ないなと感じました。だからタイミングが合えば、仕事終わりに旦那さんと神戸まで夕飯を食べに行くこともあります。そういう意味では、淡路島はサクッと都会に出られるので、とても便利な場所ですよね。カフェや飲食店は増えたけど、観光向けのお店が多いので、もっと地元の人たちが気軽に食事に行けるお店が増えたらうれしいなと思います」
こうした都会へのアクセスの良さから、ミワさんのように淡路島へ戻ってくるUターン組も近年は増えています。
起業のハードルが低い分、
受け入れてもらう努力が必要
「パン教室もそうですけど、クライミングジムもホットヨガ教室も、当時はまだ淡路島にないものだったから始めたんです。都会にいたころは当たり前すぎて、そこでやるイメージもわかなかったし、淡路島だからやろうと思えたことでもあります。家賃も都会と比べたらきっと安いし、何かに挑戦するには、淡路島はハードルが低いような気がしますね」
2016年9月にオープンしたクライミングジムに続き、2019年4月にオープンした「ヨガスタジオ38」では、女性だけでなく男性の受け入れもされています。
こうして、やりたいことを次々に実現されているミワさんですが、開業以上に、運営努力が必要だと語ります。
「ありがたいことに、うちはいいお客様に恵まれて運営ができています。私は淡路島出身で、島の良いところも悪いところも理解しているからそれほど苦労はありませんでしたが、別のところから新しい土地に入るって、とても大変なことだと思うんですよね。まず何かを始めるには、その土地や人に受け入れられることが欠かせないことだと思うので、観光のお客様だけでなく、地元のお付き合いを大切にしてほしいです。それが、長く運営していく秘訣かなと思います」
“新たな地で自分の夢を叶えさせてもらうのであれば、受け入れてくれた周りの人たちへの感謝を忘れないこと”
経営者としての大切な姿勢を、改めて学びなおすミワさんのお話でした。
移住後の起業をお考えの方は、ミワさんのように地元のことをよく知るUターン組の先輩にお話を伺ってみるのも、勉強になるかもしれませんよ。
※「カフェコパンヌ」・「リバストーン」の詳細はFacebook、「ヨガスタジオ38」の詳細はインスタグラムからご覧いただけます。
取材日:2020年03月02日