今年一月、洲本市に個人経営の小さな美容院がオープンしました。経営するのは洲本市出身の髙須悠造さん。えっUターンだったら「移住者の声」じゃないやん〜!!!っと思ったそこのアナタ。なんと奥様が、当相談所の移住サポートを通じて淡路島に移住した方なのです。でも二人の出会いは淡路島ではなくて。。。
今回は、悠造さんの美容室にお邪魔して、髙須夫妻の運命的な出会いから淡路島に移住を決意した経緯、島での暮らしなどをお伺いしてきました。取材中は生後7ヶ月の銀時くんも一緒で終始癒されていた私です👶


「淡路島」が繋いだ二人のご縁
淡路島出身の悠造さんは島内の高校を卒業後、大阪にある美容師の専門学校に通うため島を離れます。専門学校を卒業後はそのまま大阪の美容院に就職。その後、東京、NY、神戸などの美容院を転々としながら美容師として16年間働いてきました。いろいろな場所で働いたのは、好奇心が旺盛だったから。
一方、奥様の志帆さんは大阪生まれ。保育士資格を持ちながら、移住直前は「あべのハルカス」内のアパレル店に勤務していました。そんな中、コロナの緊急事態宣言でお店が休業に。自分の人生を考える時間が出来てふと思ったのが、「いなか暮らしをしてみたい」だった。そんな時、祖母の家が明石ということもあり、身近な存在だった「淡路島」がいいなと思ったそう。志帆さんの中での淡路島のイメージはズバリ、リゾート。これからリゾート地に自分が住むんだ!と思うとテンションが上がった、と語ってくれました。
早速、当相談所の『リサーチ!あわじ暮らし』制度を利用して来島。先輩移住者の話を聞きに行ったり、淡路島の視察を経て、淡路島移住を決意。保育士の資格を活かし、南あわじ市の保育士確保対策事業の制度を使って同市に移住。市内の保育園で勤務をスタートします。結婚願望がもともと強い方だったので、補助制度が3年で終わることもあり、その頃までに結婚できたら…と前向きに考えていたそう。
移住を通して出会った友人からは、「淡路島で出会いを求めるなら、積極的に出かけないと」とアドバイスを受けていたので、島内のいろいろな場所に出掛けていたそうです。
南あわじ市の保育士確保対策事業の概要
- 就労支援一時金の支給
- 月額最大50,000円の家賃補助(採用日以後36月以内)
そんな中、たまたま髪を切りに行った三ノ宮の美容院で淡路島出身の悠造さんと出会います。担当してくれたのが悠造さんで「淡路島」という共通の話題で意気投合。その後、親交を深めて行きました。出会いから一年、付き合ってから半年で結婚。南あわじ市で籍を入れ、新婚生活は神戸で過ごしました。
Uターンを決意したのは家族ができたから
三ノ宮の時代はハードワークだったと語る悠造さん。2024年5月に私たちの結婚パーティーを行い、その時に淡路島の友だちを呼んだんです。そのことがきっかけになり、「淡路島に帰るのもいいかも」と思うようになった。結婚して、子供ができて。。。今後の家族のことを考えたら、今の働き方はないな、独立かなと考え始めました。ですが、三ノ宮は美容院の激戦区。「自分のペースを大切にしながら働く」ということを考えると、三ノ宮ではなく地元で開業するという方がしっくりきた。もし独身のままだったら、三ノ宮での仕事を続けていた未来もあったかもしれませんね。と当時を振り返る。
結婚パーティーから約1ヶ月後、6月には淡路島に戻る気持ちが固まり、物件探しをスタート。同年9月に物件が決まり、年内までは三ノ宮で働き続けました。そして2025年1月、洲本市下加茂に #YOLO hair&spaをオープン。こんなにスピード感を持って進められたのは地元だったから。内装工事は友人の紹介で業者さんに依頼し、お店の壁も高校時代からの友人に依頼しました。
美容院の集客についてお伺いすると、地域ならではの方法でお客様との接点をつくっているとのことでした。特に、来店前に不安を感じる人が多い点を踏まえて、安心してもらえるような仕組みづくりを意識しているそう。
ほぼ一人での運営なので、無理のない範囲でお客様をお迎えしています。今のスタイルが自分にはちょうど良く、家族との暮らしも安定した生活を送れています、とのこと。

#YOLOは「お子様と一緒のご来店を歓迎」していて、お店にはキッズスペースがあります。子どもの託児に対応しているので子連れの方も安心して通える神対応なお店。お二人の特技を活かしたお店づくりがとっても素敵でいいな〜と思いました。子連れで行ける美容院は島内では珍しいので口コミでたくさんの親御さんが来店されているご様子。
島の暮らしについて
最後に島での子育てや暮らしについてお伺いしました。お産は島内にある兵庫県立淡路医療センターにお世話になり、産後は洲本市の産後ケア事業のサポートが受けられてとても助かったそうです。志帆さんはこの制度を使ってお隣の淡路市にあるさくら助産院に通っていました。
淡路島のお年寄りたちは赤ちゃんが大好きなようで、歓迎されている雰囲気が心地良いそうです。先日は、洲本市の千草にある保育園に見学に行ってきたそうですが、朝から外遊びをしていて、土に触れる遊びや野菜を育てる活動なども行われており、保育士の志帆さんから見てもとても素晴らしい環境だったようで、ここに息子を通わせたい!!と思ったとのこと。

悠造さんは、淡路島が地元ということもあり同級生と定期的に集まって遊んでいるそうです。地元の集まりに自分の家族も連れてくるので、自然とお嫁さん同士も仲良くなり、家族ぐるみのお付き合いに発展しているとのこと。

最後に店名、#YOLOの由来を聞いてみると。。。「YOLO」= You Only Live Once(人生は一度きり)という意味が込められているそうです。リスクを恐れずに人生を全力で楽しんでいるお二人にぴったりな店名だなと納得しました。
「**YOLO**」= **You Only Live Once**
(人生は一度きり)。
この言葉には、
**毎日を大切に、自分らしく輝いてほしい**
という想いが込められています💖
人生は一度きりだからこそ、
あなたの髪も心もリフレッシュして、
最高の自分に出会ってほしい!
(#YOLOのInstagramより)


神戸にいた頃は、帰宅時間は21時すぎが当たり前だった悠造さん。自営業に転身してからはマイペースに仕事ができるようになり、家族との時間も以前よりたくさん持てるようになったとのこと。まさに一度きりの人生を満喫している感じ! 幼い頃は島のコミュニティーの狭さに圧迫感を感じていたそうですが、大人になって帰ってきた淡路島は旧友との程よいつながりが、逆に心地よいのかもしれません。
取材日:2025年12月01日






