相談員ブログ

メジロ

移住相談の現場から・・・

あわじ暮らし総合相談窓口・相談員の小松です。
日々、多くの皆様から淡路島への移住に関してのご相談を頂いています。
できる限り、皆様のご要望にお応えしたいと真摯に対応させていただいていますが、ご不満を持たれる方もいらっしゃることは事実です。
皆様からのご相談に対応させていただいている立場から、本音の部分も含めて書いてみたいと思います。

まず、「あわじ暮らし総合相談窓口」そのものについて。
あわじ暮らし総合相談窓口は兵庫県淡路県民局が設置し、その運営・相談業務等をNPO法人あわじFANクラブが受託しています。

すなわち、準公的な機関として設置された窓口という性格を持っています。
従って、私たちの窓口では特定の不動産物件や、宅建業者を斡旋・紹介することはしておりません。
『田舎暮らしにいい古民家を紹介してほしい!』というお問合せをしばしばいただきますが、そのご要望にはお応えできません。

『淡路島に移住したいけれど、仕事を紹介してくれますか?』 ごめんなさい、それもできません。ハローワークの情報や、新聞折込の求人チラシをご紹介する程度しかできません。

カワセミ
カワセミは淡路島の川やため池にたくさんいます

最近多いのが『淡路島へ移住を考えるにあたって、これからどう進めれば良いか、ご教示いただければ幸いです。』といったご質問です。
失礼を承知でぶっちゃっけ申し上げると、本気で移住されるつもりであれば、淡路島の不動産物件を扱っている宅建業者で物件を見つけ、契約されて引越しをされたらそれでOKではないでしょうか?
「移住して自分が思い描いている暮らしが可能かどうかを考えたい」「淡路島での暮らしについて、自分はこう描いているが、それが実現可能かどうかアドバイスが欲しい」という風に、「暮らし」のイメージが明確にならないとなんとも申し上げようがありません。

カワウ
婚姻色が出たカワウ

全国各地の自治体が移住相談窓口を設置しています。中には「○○町へ移住してきてくれたら○○万円の支援金と住宅を提供します」なんてのもあります。はっきり申し上げます。淡路島にはそんな助成金はありません。

また、私たちの相談窓口では『淡路島は素敵なところだからぜひ来てください』とは申しません。逆に『△△市にお住まいなんですか、素敵なところじゃないですか。それなのになぜ淡路島に来たいのですか?』とお聞きをします。
なぜなら、私たちは淡路島が気に入ってここで住みたい! って真剣に思ってくださる方に来ていただきたいと思っているからです。「移住したら〇万円もらえるから行ってみよう」なんて方には正直お越しいただきたくありません。誤解を恐れずに書けば、そんな人はきっと『来てくれというから来てやったのに、もっと手厚くサポートしろよ!』ってクレーマーもどきになってしまうのではないでしょうか?

チョウゲンボウ
ハヤブサの仲間のチョウゲンボウ

じゃぁ、あわじ暮らし総合相談窓口って何をしてくれるの? って思いますよね? 
私たちは、私たちの相談窓口を通って淡路島に移住されたすべての皆さんがHappy!な暮らしをしてくださることを願っています。
ですから、甘い見通しと「都会の人間関係に疲れたから『農業でも』」なんて夢ははっきりと打ち砕くことにしています。新規就農するというのは、自ら起業することと同義です。しかも農地法はじめ数多い法的規制の中での起業となります。はっきり言って都会でCafeをオープンする数倍の資金と労力が必要です。

移住を決意された方には、移住後の暮らし方に即した先輩移住者さんをご紹介し、相談相手の確保のお手伝いもさせていただきます。私たちはむしろ移住後のサポートが本領だと思っています。移住者交流会や豊富な人脈からの人材紹介などご希望に応じて対応させていただいています。

「田舎暮らし」、一人ひとりにとってそのイメージは異なります。田舎でどんな暮らしがしたいのかも違います。すなわち一人ひとり、みんな違う田舎暮らしがあるのです。私たちあわじ暮らし総合相談窓口の相談員はみんな違う「あわじ暮らし」を充実して過ごしていただくことを願って、皆様へのアドバイスを力いっぱいさせていただきます。

この記事を書いた人

小松 茂

小松 茂

まだ「田舎暮らし」という言葉もほとんど使われていなかった時代で様々な葛藤を経験。畑仕事だけでなく、採集生活に近いワイルドな暮らしまで経験(笑)。淡路島の変化を「よそ者」の視点でしっかり見てきました。田舎の、そして淡路島の良い点だけでなく洗いざらいアドバイスさせていただきます。

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