夏です!淡路島の海や山での楽しみ、グルメを求めて今夏も多くの方が訪問されています。淡路島をたっぷり堪能し「淡路島に移住したい!」なんて方もいるかも知れませんね。
そうです!移住には夢がいっぱい!
新しい生活や第二の人生・・・そんな希望に満ちて淡路島に移住される方が増加中です。
でも、10年先、20年先のことを思い浮かべてみる、そんなことも必要なのかもしれません。
移住してから10年を迎える奈良昭彦さん(77才)のその後を取材しました。
はたしてどんな変化があったんでしょう…。
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奈良さんは移住直後から様々なボランティア活動や音楽活動を展開されて来ました。
中でも県立淡路文化会館主催の「いざなぎ学園」において、同好会として立ち上げ指導してきた「伊弉諾器楽合奏団」は、来年には10周年記念コンサートを予定しているとのこと。
ソフトで上品な奈良リーダーは男性女性問わず人気の的、コンサートに向け奮闘中です。
また、奈良さんは例年国際NGOから研修生のホームステイを受け入れてきましたが、そのサポートをさらりとこなすのは、パートナーのTさんです。
淡路島に移住してから出合われたそうですが、とてもお似合いで長年連れ添ったカップルのようにも見えます。
さぁ、奈良さんの一大プロジェクト、完全DIYミニマムハウスを紹介しましょう。
移住当初から9年間暮らした山の上のお宅は、眺望もよくたいそう気に入っておられたそうですが、別荘地ゆえ、交通の便が悪く歩いて買い物に行ったり通院したりは困難。
車があってこその生活でした。
運転免許を返納しなくてはならなくなる時のことも考えた末に、引っ越し先として選んだのは、車無しで暮らせる南あわじ市西淡地域の海にも近い町中でした。
ただし、不動産屋の賃貸や新築物件を見つけたわけではありません。
奈良さんのお人柄が引き寄せた、縁があっての物件でした。
「店舗用に建てられ、後に車庫として使われていた建物の一部を利用させて貰いました。家賃も少しは払っていますよ。」と、部屋に招き入れながら笑顔でこっそり教えてくれました。
全体で約5坪の小さな空間ですが、あちこちに工夫の見える驚きのミニマムハウスは、全て奈良さんがお一人で1年がかりで仕上げたものです。
「長年設計士をしていたから手作り住宅には興味もあったし、現場の作業も見ていたからね。」とは言いますが、ホームセンターやネットで仕入れた資材で、限られた空間にお風呂以外の必要なもの全てが備えられています。
圧巻は、身体が思うように動かなくなった時のことも考えてベッドのすぐ近くに備えたバイオトイレ。
尿糞が分離され、糞はバクテリアの力で分解され匂いの心配が全くないと聞き感心です。
夕方には自転車で近くの温泉へ。帰りには、ご近所に住むパートナー Tさんの所に寄っていくという楽しみもあるのでしょうね。
「最初に移住した時にそこを最後の場所と決めずに、将来一人になったり高齢者になったりした時のことを考えられるゆとりを持っておくのが大事だと思いますよ。」
最後に、奈良さんからそんなメッセージをいただき、頷きながらおいとましました。
*梨花からひとこと
3年間、21組の「移住者のその後」を取材してきましたが、今回で卒業となりました。これまでご協力いただいた皆様ありがとうございました。今後は「相談員ブログ」でお目にかかることになりますので、「もう、え~わっ!」と言わずに引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。