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今回はちょっと辛めに書いてみました

以前、淡路島移住の大先輩である人が「移住、移住って皆言うけれど、単に引越しなんだよね」と言っていて、妙にしっくりきたのを覚えている。

 

正直なところ、私も「移住」や「他拠点生活」というキーワードがファッション的に取り上げられることに、少し違和感を覚えることが増えてきた。だって「移住」することや、「他拠点生活」をすることは二次的三次的なことだから。

 

もちろん、人にとってどんな場所に住むかはとても大事だと思う。というか、痛感している。こうやって今までとは全く違う自然環境に身を置いてみて、まだたった数年だが、自分自身に対して精神的にも肉体的にもその影響の違いや実際に現実に起こった変化は驚くほどだ。「移住してよかったですか?」と聞かれたらそれはもう大きな声で「YES!」と叫びたい。私たちに訪れている人生の変化はとてもパワフルで美しく、温かいものがあり、こうできたことに本当に感謝している。

 

だからといって、移住はおすすめですか? と聞かれると、それはまた話が違ってくる。あくまでこれは私たちの場合であり、「移住」というものが持つ絶対的な効能ではないと思うのだ。どこに行ったって自分は自分で、移住したからって何かが変わるということはそんなにないとも常々思っている。例えば都会から自然豊かな環境に移住したら、最初はこの刺激が少ないという新鮮さで毎日がいっぱいだろうけれど、数か月もすればきっといつもと同じことが起こり始めるのだろうと思う。そんなときにちょうどその場所のマイナスの側面が見えてきて、自分の身の周りに起こる受け入れがたい出来事を、その場所のせいにしないことを切に願う。地元の人だっていい迷惑だ。だってそれはきっと、自分が起こしていることだから(こういうのを「移住者あるある」と私は呼んでいる)。

 

重要なのはそこにある、自分の人生に対する意図や、願いや、方針や、心持ちや、心掛けだと強く思う。どんな未来を展開していこうとしているのか。自分や自分たちのこれからに心底向きあった結果、そこに住居の移動が、もしくは住居を取り巻く環境さえ含めた変化が必要だったとき、距離や移動先の状況の関係で、周囲からの呼び方が「引越し」とか「移住」とかになるだけのことなのだ。あなたも、そう思いませんか?

 

移住して3年以上経つ私たちにも「どこか他にもいい物件ないかなぁ」という話になることが定期的にやってくる。でも結局、どこに住むかより、自分たちが今何を求めているのかにしっかりと焦点をあて明らかにしていくプロセスこそが重要で、その見直しやすり合わせのタイミングだったんだなといつも思う。そして今はまだ、物件を含めこの状況がベストだという結論にたどり着いているので、相変わらず移住当初と変わらない賃貸マンションの同じ部屋に居を構え続けている。

 

と、つらつらと書いてきてしまいましたが、何が言いたいのかというと、「移住」というキーワードにほだされないようにね! ということを伝えたい。本当に移住が必要なのか? ましてやそんなに遠い場所である必要があるのか? 今の場所でも、隣の町でも実は求めているものはあるのかもしれないなということも、検討のプロセス時に思い出してみることも、強くおすすめしたい。

 

そして「移住」をあまり重い決断とらえたり、人生の決定打にしないようにね! とも伝えたい。「移住」の前に少しだけそこに住んでみたり、毎週末通って泊まってみたり、今の場所で週末プチ起業してみたり。移住後に「思っていたのと違った!」なんてときにも戻れる道を(どんなに熟考してもそうなってしまうケースだって普通にあって当然だ。人間だもの)、移住して最初の数年は残しておくのも全然悪くないと、私は思う。「移住」という言葉を使っているうちに、どんどん決断の意味を重くしてこんがらがってしまうのも「移住者あるある」だ。

 

とは言え、こういう検討を本気でするのは人生においてとても素敵な機会だということには間違いない。検討しているそこのあなた! 普段は気付かなかった(もしくはパートナーや家族に言えなかった)本音を表に出してみたり、いろいろな候補地に足を運んだりして、そのプロセスを少しでも楽しめますように。くれぐれも、決断を急がずに…

この記事を書いた人

時友真理子

時友真理子

東京生まれ。大学卒業後、(株)リクルートで営業職、(株)IDOM(旧(株)ガリバーインターナショナル)でマーケティング業務に携わる。2016年に夫婦で縁もゆかりもなかった淡路島へ移住し、島の食の通販&編集ライター業で起業。移住直後に第一子を授かり、淡路島でのんびり子育てを満喫中。

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