相談員ブログ

物々交換で地域とつながる

淡路島で物々交換

 大好きだったけどサイズアウトしてもう使うこともないであろう子供の靴やカバンなどの愛用品。それらを手放すため、綺麗に洗濯してリサイクルショップに持って行ってみる。ワクワクしながら査定を待っていると「状態が悪くて買い取れません」と一言告げられる。自分的には結構綺麗だし、可愛いし、全然アリなのに、資本主義の世界に乗っけると全然ナシなのか(泣)メルカリに出品するのも面倒だし、もう普通に捨ててしまおうか。でもやっぱり勿体無くて、そんなものが袋にいっぱいになったある日インスタでたまたま見つけたのが五色町上堺にある片山牧場の「ぐるりお譲り交換会」でした。

 

淡路島のぐるりお譲り交換会の会場

 

ぐるりって?

ぐるりとは、一言でいうと物々交換です。 あなたの1点と誰かの1点を交換する。 あなたが今、不必要になったものは、 誰かが今必要としているものになる。 このリレーをどんどんしていくことで、不要な消費を減らし、思い出や気持ちのバトンが繋がる。 この楽しさと愛のある循環が「ぐるり」です。 株式会社ワンピースHPより)

 調べてみると「ぐるり」に共感した団体がさまざまな場所で自主開催しているようです。

 

片山牧場という不思議な場所

 ぐるりを淡路島で主催しているのは片山牧場という名前の場所。インスタのプロフィールには「ユニバーサル卓球」と書かれていて、牧場ではなさそうなのに何故か牧場という名前だし、物々交換と卓球が出来るなんてどんな場所!!?とちょっと謎すぎたのと、予定がなかなか合わなかったこともあり、存在を知ってから3ヶ月くらい経った先日、やっと「ぐるりお譲り交換会」に行くことができました。

 

この日はレトロこみちの人気ハンバーガーやさん「第八戎丸」さんの出店もありました

 

 ドキドキしながら現地に到着すると、屋外にコタツやタンスなどの大型家具が並び、家の中にはチャイルドシート、おもちゃ、子供服、保育園とか小学校の制服(これはめちゃくちゃ助かる!)がずらり。さっそく交換品として持参したチャイルドシート、子供靴、リュック、雨カッパを見てもらうと、「すごく綺麗にして持ってきてくれてありがとう」と言われ、なんだかそれだけでちょっと嬉しかった。

 

子供の靴はすぐにサイズアウトするから、誰か必要な人のもとに旅立ってくれると嬉しい

 

管理人さん:「でも靴はあんま人気ないねん。。。」

私:「えっ、これブランド品でけっこう高かったですけど、やっぱお古は微妙ですか?」

管理人さん:「なんかな、安くてもサラ(新品)の方がいいみたい。」

 

 アラフォーの私、普段から古着とかフリマサイトに慣れ親しんでいるので中古品って気にならないけど、嫌って人、確かにいるよなあ〜と妙に納得。来てみて聞いてみると、どんなものが需要があるのか分かって次回は需要のありそうなものを持ってこようと学習。需要はないかもしれないのに「可愛いからしばらく置いといてみる?」と交換品を受け取ってもらいました。それと引き換えに「園児服」「ジュニアシート」をもらいました。

 

交換で頂いたもの

 

 思い出があって捨てられないものを気持ちよく手放せて、欲しいものが手に入ることに感動する。そして心が満たされる。この感情はなんだろう?控えめにっても超サイコー!じゃない。

 

 恥ずかしいので冷静を装いながらも、心の中では小躍りしていました!なので、皆さんにもぜひ体験して欲しいです。そういえば、私は小さい頃は岡山県総社市という片田舎に住んでおりまして、近所の誰々ちゃんのお下がり〜とか、そんなものが自然と家に集まってきていたっけ。そんなご近所づきあいも気薄な令和で、なんか久しぶりに「誰々ちゃんのお下がり」を頂けて暖かい気持ちになりました。淡路島が地元の方のコミュニティーでは今も「誰々ちゃんのお下がり」を交換しあう文化が残っているのかもしれませんが、移住者がその輪に入るのはちょっとハードルが高い。でも、こんな誰にでも開かれた場所ならチャレンジしやすいのではと思います。

 

この場所を始めようと思った理由

 交換品を見ながら管理人さんとお話ししていると、遊びに来ていた近所の人も会話に入ってきて、集まってきた交換品をネタに話が弾んで行きました。「この服がかわいい」「これは何使うの〜?」そんな些細な会話から地域特性が垣間見れて楽しい時間。そしてついに気になっていたこの謎スペースを運営している理由を思い切って質問してみると、

 

 「趣味でやってます」

 

 とのことでした(笑)ここは元々管理人さんのご実家。お母さまが施設に入られて空き家になり、母屋の片付けをしながら、向かいにある元牧場の牛小屋をユニバーサル卓球(どんな人でも楽しめる卓球)が出来る場所として改修し地域に解放。その後、この「ぐるり」の活動も始められたそうです。だから牧場って名前なのね、と納得。(笑)

 片山牧場のインスタの投稿を見ていると、ものがぐるりと交換されていくことが本当に喜びなんだろうなあという思いがひしひしと伝わってきます。捨てるのは簡単だけど、交換品を集めて、綺麗にして整えて、欲しい誰かとマッチングさせるのって本当に大変そう!それが趣味ってさらっと言えるのがすごい。

 

ブログ書いて宣伝します!と伝えると、隣の卓球場も案内してくださりました
お鍋の蓋をラケット代わりにして卓球出来るとのこと、他にも桶とか穴の空いたラケットとか色々あります(笑)卓球も楽しそうだから今度は子連れで行こ〜っと

 

 春先は必要ないものを手放し、新たに必要なものを購入する季節。新しいものを買うのではなく、片山牧場で「ぐるり」の輪に入ってみるのはいかが〜。きっと心が満たされるはず。オープンデーは片山牧場のインスタをチェックしてみてください。

 

この記事を書いた人

黒川香苗

黒川香苗

1984年岡山生まれ。大学卒業後、大阪の建材メーカーでデザイン開発を担当。退職後、夢だったゲストハウス開業に向け、生きた英語を学ぶため単身カナダへ。帰国後、開業に向けての準備をするうち、ひょんなことがきっかけで南あわじ市地域おこし協力隊に。卒隊後は淡路島に定住し、ADDress淡路島の大家兼フリーのデザイナーとして活動中。

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