相談員ブログ

データで見る淡路島の住宅事情

こんにちは、あるいはこんばんは。相談員の田畑です。
2023年12月の相談員ブログで移住のカギとして仕事と住居の2つがあり、そのうちの「仕事」についてデータを参照にしながら色々と書いてきました。今回はもう一つのカギ「住居」について、政府の各種機関などが公表しているデータから見ていきます。

淡路島の住宅【概況】

総務省が5年ごとに公表している最新版の「住宅・土地統計調査」によると平成30年時点で淡路島には約51,600戸の住宅が存在しており、そのうち96.2%が専用住宅で残りは店舗併用の住宅です。移住する際の住居として検討するのは店舗併設よりも専用住宅だと思いますが、専用住宅の借家の割合は全国平均(36.0%)より低く21.0%しかありません。そのため、島内で賃貸住宅を探すのは都会よりも難しいと言えるでしょう。

ちなみに、最近の住宅では当たり前になってきた二重サッシですが、淡路島の住宅には設置していない住宅が多く、全国的には 3件に1件は二重サッシが付いていますが、島の住宅には4~5件に1件程度でしか付いていません。断熱は快適に過ごすための必須アイテムになりつつあります。中古住宅に住む場合はリフォームを検討するのがいいかもしれませんね。

また、一戸建て住宅の構造で見てみると25.3%が非木造で、これは全国平均の6.9%よりかなり多いようです。要因ははっきりわかりませんが、冬の強風だったり塩害などが多少なりとも影響しているのかもしれません。加えて、太陽光発電設備を持った住宅も多く、全国平均の7.1%を1.5ポイント以上上回っています。恐らく、日照時間や日影を作る高い建物が少ないので、発電効率がいい土地柄なんでしょう。

最後に、手すりなどの高齢者向けの設備を付けている住宅の割合ですが、こちらも持ち家、借家とも全国平均より高いようです。定年退職後に移住を考えている方にとっては、少しだけお得かもしれません。

淡路島の家は広い

淡路島の住宅は他の地域に比べて広いようです。

1世帯当たり居住室の畳数でみると、淡路島の住宅は約41畳と全国平均より畳8枚分は広いようです。これは東京や大阪の平均と比較すると約18畳=6畳間3部屋分も大きいのでなんとも贅沢な造りをしています。ただ、これは都市部に多いワンルームを含んだすべての専用住宅での数値なので、持ち家だけで比較すると全国平均41.35畳、東京都34.60畳、大阪市33.70畳に対し、淡路島は 平均45.86畳とそれでも他より広いです。


ただ、賃貸物件になるとその差はぐっと縮まり、全国平均より3畳分だけ大きい程度です。それでも東京や大阪に比べると6畳間で1部屋分は大きくなります。ちなみに、賃貸物件の家賃相場ですが4万円~6万円というものが多く、これ以下の物件も多数あるので、安い物件をお探しの方は熱心に情報収集をする価値は十分ありそうです。

 

淡路島の空き家

さて、いよいよ移住者が一番気になる淡路島の空き家事情です。

淡路島では専用住宅の約3割が空き家で全国平均のほぼ倍です。と言うことは、住宅は選び放題なのか???。残念ながら、そうでもありません。実際に売買や賃借される空き家の供給数は全然需要を満たしているとは言えず、移住促進の壁になっています。

その理由の一つに腐朽・破損がある住宅が多いことが挙げられます。住宅が20件あればそのうち1件は腐ったり破損があることになるんですが、このうちの多くが空き家になっていると想定されます。つまり、通常は買わない・借りない家だろうから、空き家バンクにも登録せず放置している、、、と思われる家も結構あります。私の家の近くにも数件、こんな感じの家が残っています。

たくさんある空き家を地域のお荷物ではなく、資源として有効利用する、、、地元民が抱えて解決すべき課題だと思います。

 

淡路島の土地のお値段は?

最後に淡路島に移住して家を購入しようと人に向けて、相場感が分かるデータを載せておきます。ただ、家の価格はその状態や使用方法によっても千差万別なので、今回は比較しやすい土地の値段です。土地の価格は一般的に国土交通省が公表している「公示地価」と実際の土地取引に使われることが多い都道府県が設定する「基準地価」があります。

公示価格でみると、淡路島の土地は全体的に下落傾向にあります。一番大きく落ち込んでいるのは洲本市で平均▲2.19%昨年より下がっています。でも、これを基準地価でみると淡路市は+0.08%と少しですが上がっています。これは島北部の開発が進んでいることと何かしらの関係があるものと思われます。

次に公示価格の最高値を見てみると洲本市の本町あたりが最も高く、坪あたり33万円ほどです。一方、最安値だと坪3万円程度だったり基準地価だと3万円を切っている場所もあり、200坪の土地を500万円くらいで買える場合もあります。ちなみにこの価格はあくまで基準価格なので実際の取引ではもっと高かったり、安かったりしするので、あくまで基準です。

私の場合は、、、結構安くしてくれました(^^♪

 

そして、この土地価格ですが1995年から比較すると大幅に下落しています。バブル期終盤には淡路島でも土地高騰が見られ、その後、泡が弾けたんでしょうか。今の値段からすると信じられないくらい高価な買い物だったようです。

また、建てられた時期は1990年代が多く、中古住宅の購入を検討されている方は築30年以上の物件が多くなることは覚悟した方がいいでしょう。築浅物件は、、、難しいでしょうね。

最後に

これから移住を検討して家を探す場合、Webで物件情報を調べたり、空き家バンクの掲載内容を比較検討するのが一般的です。
最初はこれで十分かと思いますが、なかなか理想の物件に巡り合わず探すのに疲れた、、、なんて話もよく聞きます。そんな人たちに向けた先輩移住者としてのアドバイスです。

『淡路島の物件は淡路島の不動産会社に相談する(ことも考えてみる)』

地域の情報は地元の業者が一番よくわかっていて、そんな方たちと上手につながっていると最新情報やお得な情報が手に入ったりもします。

もし、自分たちだけの物件探しに行き詰まったら、考えてみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人

田畑尊靖

田畑尊靖

転勤で福井や東京などで暮した結果、静かな田舎暮らしに憧れて東京脱出を計画。どこでも仕事ができるように中小企業診断士や行政書士の資格を取ってから2021年9月に南あわじ市に移住。今はコンサルタントとして起業し、地域の人たちの「法律と経営の街医者」的な存在として様々な相談を受けている。(https://tbt-asml.com/)

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