退職からわずか2ヶ月!
2016年の3月、一家の大黒柱である真也さんが突然「農業をやりたい」と言い出し、仕事を辞めて、その2カ月後には家族で淡路島に移住してしまったそうです。
もともと食に関係する仕事に就きたかったという真也さん。高校卒業の頃にも「料理人」になるかを迷ったというほど。その後、大学を卒業。一旦は別の仕事に就くものの、自分にとって本当に合ってるのか、疑問に感じながらも働いていたそうです。
そんなとある日、インターネットで淡路島の農業をやっている会社の求人を見つけ、即申込み、就職を決めて、移住することになったといいます。
それが今の勤め先である「A&H Farm」。農産物の生産から加工までおこなっている会社です。
結婚6年目、転勤族から農家へ。
以前、一度淡路島にも住んでいた時期があり、その時に田舎暮らしに魅了された志穂さんの「いつかは淡路島」をキーワードに淡路島を選定。あわじ暮らし総合相談窓口へ移住相談をした際に何人かの農家を紹介してもらい、移住話を聞き、さらに様々なご縁や、たまたまが重なり、7.5反もの農地付の家を購入。会社の近所でもある南あわじ市、今の住所へと引っ越しました。
子育てと農業。そして野望。
奥さんの志穂さんも、2人のお子さんを育てながら、南あわじ市の地域おこし協力隊として2年間勤めたが、農業への想いはどんどん強くなっていき、A&H Farm系列の青果店で働きながら自宅の農地の一部を使って野菜の栽培を開始。「大きめの家庭菜園レベル」と話す志穂さんだが、その大きさは1500㎡、テニスコート5枚分がすっぽり入る大きさ!
そこで育てるのは、ニンジンや唐辛子など。「ゆくゆくは味噌づくりのための黒豆も育てていきたい」と語る志穂さん。
そして真也さんの野望は、育てた唐辛子で「一味唐辛子」を作りたいとの事。すでに自家消費用に作っています。「やっぱり風味が全然違う!」真也さんはゆくゆく淡路島の飲食店で取り扱ってもらえるようにしていきたいと話してくれました。
淡路島のうどん屋さんで見かける日も近いのではないかと思いますね。
淡路島の魅力はずばり「空」
「淡路島の空は広いんです」と笑顔を見せる志穂さん。島内の人みんなには「何もないやろ」と言われるけれど、実際のところ魅力ばかりで、不満と天秤にかけても断然淡路島が素晴らしいと語ってくれます。
そんなご夫婦は、職場の人、近所の人、本当にたくさんの人にお世話になったと口を揃えます。ただ、この一家には不思議とみんなを惹きつける力が自然に備わっているのではないかと、取材をしていて感じました。
移住を考えるならまず行動!
安定した勤め先を退職し、お子さんが2人いるのにも拘わらず「農家になりたい」と移住を決めた大田さん一家に移住の理由を聞いてみると「仕事だけが人生の全てじゃないんだから、安牌で迷いながら生きるより、やってみないとわからないことがたくさんある。」と熱い想いを語ってくれます。「不安がないのはチャレンジじゃない。」真也さんの言葉がぐっと胸にささりました。
お二人の育てる野菜は、無肥料無農薬。それであるが故の苦労もたくさんあるはずですが、何よりもご家族4人とも本当に楽しそうなのがとても印象的でした。
大田さんのお野菜は、南あわじ市の美菜恋来屋でも販売しています。
取材日:2018年08月31日