移住者の声
藤本沙紀

経験値がひろがる島

職業:ライター 移住年:2017 前住所:東京都世田谷区 現住所:洲本市

都会で働かないという選択肢。

東京でファッション関係のライターの仕事をしていた沙紀さん。
2年前の2017年3月に淡路島に移住。

アパレル関係のライターをしていたが、広報商業的な物の発信よりも、マイノリティでも良品がある・・・それを上手く伝える方法を考えていきたいと感じていたそうです。
そんな中、体調不良もあり療養にも。と、縁が重なり淡路島に移住してきました。

実は移住する約1年前にも一度、淡路島を訪れていたそうです。
移住を促進するイベントで数日間、淡路島の事業者さんのところで働く機会がありました。
その時の印象はずばり、「思っていたより都会」。

その約1年後。
人との付き合いの中で、住むところや働くところを紹介してもらうなど、呼んでくれる人、待ってくれてる人がいることに縁を感じ、移住を決めたそうです。

女性が単身、淡路島で暮らす。

移住してきた沙紀さんは、さっそくハプニングに見舞われました。
持ってきたガスコンロが、都市ガス用。淡路島はLPガス。ガス屋さんに頼んで・・・と、さっそく地方ならではの洗礼を受けました。

淡路島の暮らしは初めての事ばかりで、ゴミ出しなど地方ならではのルール、通勤のための毎日の車の運転などなど淡路島に住んでからの初体験が多かったそうです。
しかしコンビニやスーパーも近いところにあり、生きていくのに不便だと感じるほどでもなく、少しずつ暮らしに慣れていきました。

日が暮れてからご飯屋さんなど、若い人が遊びに行くところがないのはちょっと寂しいけれど、都会に比べると時がゆっくり流れていて、夜の時間帯がすごく長く感じ、自分と向き合える環境が整ってるのは、住んでみてわかったと言います。
落ち着いて療養するにはもってこいの環境。

移住したいと思っている人にとって、物件賃貸の際の初期費用が高めなところは、ちょっとしたハードルになるかもしれないけれど、知り合った人から食べ物を貰ったりすることなどが多く、沙紀さんの場合は食費があまりかからなくなったと話してくれます。

「移住者みんなが口を揃えて言うけれど、やっぱり食べ物は美味しいですよね。」
誰が作ったかが目に見えてわかるものが、淡路島にはたくさん溢れているんだって感じたそうです。

 

自然がたっぷりで都会的な島。

神戸の中心にも車で1時間ほど。都市が近いため、南国リゾート島のような極端な田舎とはまったく違う都会感があって、人の動きや移住者も多い。田舎暮らしに慣れていない人でも、ほどよく住める場所だと言います。

ただ、若い世代の人、同世代の人と出会う機会が少なく、コミュニティ探し、人付き合い、友達作りはちょっと都会と比べて難しい。

バドミントンやフットサルのサークルがあったりで、きっかけがゼロというわけでもないので、人と知り合うために、そういった地元のいろいろなコミュニティに入ったりして友達作りの努力はしないといけないと言います。

 

 

 

マイノリティの数だけ魅力がある。

ライターの仕事から鑑みると、2年住んでみて沙紀さん自身が書きたかったものが淡路島には溢れていたそうです。

「マイノリティが書きたい。」

東京には新しいものが次から次へと出てきてて、ライターとしても、仕事に困ることはないかもしれなかった。
でも人それぞれの価値観は違えど、自分にとっての価値を感じられる情報は淡路島の方が強く、自然を相手にする仕事、汗をかく人の姿、食べ物が作られていく過程・・・。

そういった生きる上で大事なものたちが、マイノリティとして埋もれていて、「見つけられにくいもの、見逃されてるもの」がたくさんあって、それらを発信することに魅力を感じたのだと語ってくれました。

経験値がひろがる島

実際移住するのであれば、ちょっとでも貯金はしておいた方が良くて、「田舎だから」って夢だけ見たり、甘く考えたりはしないほうがいいと言う沙紀さん。
もちろん、ちゃんとやっていけば夢も叶えられる可能性がたくさんあるし、もしちょっとでも軽い気持ちがあるなら改めて、実際に足を運んで、しっかり計画を練って考えてから移住を決断したほうがいい。と話してくれました。

一人でやらなきゃいけないことが増えて、良い経験も、失敗もたくさんあって、それが全部自分に経験値として返ってくる。
実際、住んでみないとわからないことだらけ。

淡路島をひとことで言うと?の問いに対して

「経験値がひろがる島。」

と答えてくれました。

淡路島に埋もれている大切な情報を、沙紀さん自身も経験値を重ねながら、
これからも素敵に発信してくれることでしょう。

 

ーーー沙紀さんのデーターーー

藤本沙紀

職業:ライター
屋号:紡ぎ屋
https://tsumugiya.site/

紡ぎ屋

Webサイト:https://tsumugiya.site/

取材日:2019年03月07日

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