玉ねぎの美味しさに感動し
家族で淡路島へ移住
東京で生まれ育ったご主人のFさん。東京在住時は、都内の一般企業で会社員をしながら、同じく東京育ちの奥様と息子さんの家族3人で、都内のマンションに暮らしていました。
日常を送りつつ、第二子のおめでたが分かった2017年のある日のこと。Fさんが勤める職場近くで、淡路島フェアが開催されました。仕事帰りに何気なく通り過ぎますが、その日はたまたまフェア最終日で、歩速をゆるめつつ眺めていると無償配布していた淡路島玉ねぎと移住資料を受け取ります。
これまで「移住」の「い」の字もなかったFさんでしたが、帰りの電車の中でもらった資料を広げてみると、初めて知る淡路島の魅力に惹きこまれます。
「関西圏に縁もゆかりもない私でしたが、資料から淡路島の自然の豊かさやアクセスの良さを知って、島に対する先入観を改めることになりました。近くで独居していた母が他界したこともあり、東京から離れて暮らすのもいいなと思い始めたのがきっかけです」
さらに帰宅後、一緒にもらってきた玉ねぎを食べてみると、その美味しさに驚愕。あまり玉ねぎが得意ではなかった奥様は特に感動するほどの美味しさだったと話します。
そのひと月後、東京のふるさと回帰支援センターを訪ね、淡路島移住を相談すると「まずは一度遊びに行って実際に見てみてください」とアドバイスを受け、2018年2月に初めて淡路島を訪れます。
2泊3日の滞在期間中は、NPOの移住相談員さんに淡路市内を案内してもらったそうです。奥様が第二子の妊娠中だったため、東京に戻ってからはFさんが単身夜行バスで2度ほど土地探しに尋ね、移住と新築計画を進めていきました。そして第二子が誕生した数カ月後の2018年10月、Fさんファミリーは県所有の移住お試し住宅に入居。正式に移住をスタートします。
まさかの待機児童!?
保育所探しと全力の転職活動
しかし移住後は、すぐ近くの保育所が定員いっぱいで入れず、息子さんの転園先は隣町となったことで、奥様は慣れない運転で息子さんを送ることになります。
またご主人も転職活動を開始。関西圏に土地勘がなかったため神戸や大阪でのゼロからの転職活動は大変だったと語るFさんですが、ご縁があった島内の企業に無事、内定が決まります。
「島内企業に就職して、最初はアナログさに多少戸惑いもありましたが、いまは慣れました。東京と比べたら正直年収は下がりましたね。厳しくないわけではありませんが、それなりに暮らせています。淡路島は食べ物がなんでも美味しいし、いただきものが多いので家で作って食べることが増えました」
さらに淡路島に来てから釣りにドはまりし、以来、魚を買うことも少なくなったそう。
職場は海が近く、休憩時間にも釣りをするようで、淡路島でしかできない暮らしを満喫されています。
持ちつ持たれつの
恵まれたご近所付き合い
病院やスーパーが徒歩圏内にあり、東浦バスターミナルから高速バスに乗れば神戸三ノ宮まで30分。都市と変わらない便利な東浦の生活は快適だと奥様は話します。
「夫婦ともに都会のもやしっ子なのですが、東浦は便利なので程良い田舎暮らしを楽しんでいます。ちょうど東京のマンションは手狭になってきていたし、子供が走り回ってうるさくしても叱る回数はかなり減りました。むしろ、子供たちのおかげで、地元の方たちと交流する良いきっかけができています」
取材日はクリスマス当日。お子さんたちはサンタさんやご近所さんからいただいたおもちゃで楽しそうに遊んでいました。
「子供がいることで、ご近所さんがお野菜や魚をたくさん分けてくださいます。更にはお料理もお裾分けしてくださるのですが、その味付けがすごく美味しくて…!花嫁修行じゃなく、淡路島のおばあちゃん修行として作り方を教えてもらうこともあります」
休みの日は、近所の公園や海に遊びに行くことが多いというFさんファミリー。お気に入りの観光地は「あわじ花さじき」だそう。
自然豊かな淡路島は、子育ての環境としても最適で、小学校や保育所に通うお子さん達も、淡路島での暮らしを楽しんでいる様子が伺えました。
これからもずっと
キレイな淡路島で…
今は子育てに奔走されているご夫妻ですが、落ち着いたら淡路島でやりたいことがいっぱい。
「山と海がある淡路島が好きなので、自然が残る淡路島であって欲しいなと思います。釣り仲間と海のゴミを拾うこともありますが、何かそういう、自然を残していく活動があれば参加していきたいですね」
また奥様は「もう少し子育てが落ち着いたら、海辺のゴミ拾いしながらジョギングするのに憧れますね。子供たちのためにも、欲を言えば孫の顔が見られる年まで健康でいたいです」と語ります。
淡路島に移住して、ちょうど3年。お子さんたちの成長と、ご夫妻のライフスタイルの変化が楽しみなFさんファミリーの取材でした。
取材日:2021年12月25日