移住者の声
福山 慎一

次世代にいいバトンを渡したい

職業:自営業・空き家周りのお仕事 移住年:2019 前住所:高知県吾川郡いの町 現住所:淡路市生穂

家族のために決意した淡路島移住

 大阪府出身の福山さん。子どもの教育に強い関心を持っていたことから、兵庫県の大学を卒業後、神戸で小学校の教諭になりました。憧れだった先生という職業、子どもたちと関わり合うのは楽しかった、だけど、「世間」と「自分の職場」の環境があまりにも違いすぎることに違和感を覚えはじめ、教師3年目を迎えたとき、もっと違う社会を経験してみたいと思い、教職を離れることを決意。

 

 その後、学校の先生とは違う仕事をいくつか経験し、苦労しながらも手応えを掴んでいった福山さん。そんな慌ただしい日々の中、奥様と結婚。子供も2人授かり、家族の大黒柱としても頑張る日々が続いていました。そして、世間を知ることが出来たいま、もう一度小学校という場に戻りたいと思いはじめます。そんな折に見つけたのが学校法人日吉学園 森の小学校 とさ自由学校という高知県に新設される学校の立ち上げスタッフの募集でした。奥様の後押しもあって、一家は、高知県高知市に移住することに。

 

 元々自然が大好きな福山さんは、この学校の自然の中の体験から学ぶというコンセプトに共感していて、設立後はそこで先生になる予定でした。そんなとき、第3子の妊娠がわかり、喜びに沸くと同時に、夫婦には一抹の不安がよぎります。当時、3歳と1歳のお子さんの面倒はすべて奥様が担っていました。それぞれの実家は、大阪と神戸。両親に会うことですら半年に一度が精一杯で、引っ越してきたばかりの高知には頼れる人がまったくいない状態。

 

 度重なる転職も、高知へ来たのも、すべて自分のやりたいことだった。そのために家族が苦しむのは、自分の望むことではない。

 

 福山さんは急遽プランを変更。高知の生活に見切りをつけ、家族が無理なく暮らせる場所を探すことに。そこで目をつけたのがそれぞれの実家に近く、自然の溢れる場所、淡路島でした。そしてご縁がつながり、唯一の不安であった仕事も無事見つかり、2019年の5月に淡路市へ移住。淡路市の地域おこし協力隊として、NPO法人島くらし淡路に配属され、移住希望者へのサポートや、空き家の利活用などを推進することに。

任期中に作成した空き家募集のチラシ

 

島にたくさんある空き家を活用したい

 卒隊した今も、協力隊時代から取り組んでいた「空き家周りのお仕事」を続けているという福山さん。もともと空き家活用に興味があったのではなく、協力隊のミッションをこなしているうちに、空き家の魅力に気づいたから続けているだけ、というから面白い。

 

 その活動の中で、空き家の問題や価値のある家が壊れていくことに危機感を持ち、活動している地元の建築事務所の方の存在を知り、会いにいったそうです。その方は、福山さんが思う空き家への考え方、これからやっていきたい事を既に実践されていました。「今は人手が足りてなくてあまり活動出来ていない、だけど想いはずっとある」とお話してくださったそうです。そのお話を聞いて福山さんは思い切って

 

 僕にやらせてください!

 

とお願いしたところ、快く受け入れてくださりました。そして、福山さんは、その方が立ち上げた「リコミンカ」という活動の屋号を引き継ぎ、現在は、空き家の草刈りや片付けなど空き家を流通させる手前のことをメインに活動中。やらせてと言った割にあまり活動できていなかったのですが(汗)2023年からはもっとしっかりPRし、事業化できるようにしたい!と今後の意気込みを語ってくれました。

 
ご縁がつながり、地元の建築事務所にキッチンのリフォームをお願いしたそうです(オシャレ!)

 

 空き家の問題は、自分が住んでいる家でないこともあり、今すぐに解決しなくてもあまり困ることはない。だけどそれは未来に問題を先送りしているだけ。いつかはどうにかしなければならない。その点、淡路島は今、追い風が吹いています。移住希望者も多く、慢性的な家不足です。このタイミングで次の持ち主に家を渡すことが出来れば、家は甦ります! 思い腰を上げてもらうためにまずは片付けから着手してもらいたい。そして、そのお手伝いが出来ればと思っています。

 

教育と古民家活用、その共通点は。。

 「教育」と「古民家活用」まったく異なるとこをやっている人と思われるかもしれませんが、一貫している思いがある。と福山さんは語ります。それは、次世代にいいバトンを渡したいという思い。未来の街や地域に空き家を残すことはそこに住む人達の大きな負担になりかねない、空き家はしっかりと向き合えば財産にもなります。

 

 そんな福山さん自身も「一軒家付きの山」を引き継ぎ、少しずつ再生をはじめています。ここは、大人も子どもも自由にのびのびと自然の中で遊び尽くせる“プレイパーク”のような居場所にしたいと夢を語ってくれました。

 

知り合いから購入した「一軒家付きの山」
子供が大喜びしそうなブランコ!

 私自身、空き家活用にとても興味があったこともありとても興味深い取材となりました。思いが重なりすぎて「うん、分かるよ!」と思うことが何度あったか(笑)気になる人に会いに行く、思い立ったらすぐに行動に移す。福山さんから学ぶことはたくさんあるなと感じました。

 

 新しいことを始めるのにいい新年、大掃除に乗り遅れた皆さん、思い腰を上げて、今年は空き家の片付けはじめてみませんか?福山さんがしっかりサポートしてくれるはずです。

リコミンカお問合せ窓口

兵庫県洲本市中川原町中川原555

Webサイト:http://recominca.jp/

取材日:2022年12月05日

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