Y夫婦の奥さんとの出会いは、2021年の春の移住者交流会。「釣り好きの旦那さんと淡路島移住をしたけど、旦那はいつも釣りに行ってる。だから、私も友達を作って島暮らしを楽しみたい!」とおっしゃっていて、第一印象はポジティブで素敵な人といった感じでした。その後も色々なイベントやお店で偶然会うことがあり、いつもお友達に囲まれていて楽しそうで、いつか島暮らしを楽しむ秘訣をじっくりお聞きできたらと思っていました。そして思い切って取材をオファー、そうしたらなんと、夫婦揃ってインタビューを受けてくださることに!
第二の人生を淡路島で
「淡路島には昔からよく家族で遊びに来ていたんです」
旦那さんは人付き合いが大好きで、大阪にいる頃は仕事仲間や友達と飲みに行くのが楽しみだったそう。そんな大阪生活がコロナ禍で一変、気軽に人とも会えない、飲みにも行けない。そんな時に思い出したのが淡路島でした。いつか淡路島に・・という思いが一気に現実味を帯びてきます。島で新しい仕事と家を見つけて移住するのもアリだろうと思い奥さんに相談したところ、快くOKをもらい夫妻の淡路島移住計画はスタートしました。
まず始めたのは家探し、中古戸建をいろいろ内見するもピンと来る物件にはなかなか出会えず。途中いい土地に出会えたので、土地を買って新築でもいいかなとも思ったり。そんな中で出会ったのは、洲本市中心部から車で10分ほどの閑静な住宅街の中にある戸建賃貸でした。
洲本市中心部から車で10分ほどのところにある閑静な住宅街
「今あらためて思い返すと、ライフスタイルの変化でこの地を離れたいと思った時に身軽ですし、購入ではなく賃貸で良かったです。」
無事に家が見つかり今度は職探しです。元自営業の旦那さんが希望する職種は「人に使われない仕事」。さっそく淡路島のハローワークに出向き相談すると「ちょうど小学校の用務員の求人があるからどうか?」と提案を受けました。小学校の用務員とは校内の整備をする仕事(枯葉を集めたり、草刈りをしたり、壊れている場所を直したりなど)です。お困りごとを見つけて解決していくのが日々の業務なので、割とマイペースに出来るし、子供たちとも触れ合えるので楽しいとのこと。奥さんも、週2日出勤でOKな「プールの受付」の仕事を見つけ、主婦業と両立しながらお仕事をされています。職場の友達も出来、お裾分けをいただいたりと、島暮らしを満喫中。
淡路島と大阪、それぞれの良さがある
現在、もともとあった大阪の家には娘さん家族が住んでおり、奥さんは毎週、大阪の家に帰っているそう。大阪では淡路島では出来ないショッピングなど、都会的な暮らしを楽しんでいます。
「たまに大阪に帰ることで、より淡路島の良さを実感する。」
淡路島は大阪に比べて空気も綺麗で散歩が楽しい。散歩好きな奥さんは、車で大浜海岸まで行って浜辺を散歩するのが日課。孫を海に連れて行くととっても喜んでくれるのが嬉しいと語る。
海に大喜びのお孫さん
淡路島を拠点にいろいろな場所へ
逆に、娘さん家族も淡路島にはよく遊びに来ていて、先日はみんなで高知までキャンプに行ったそうです。淡路島に拠点があることで、大阪から四国は遠いけど、淡路島で一泊してから四国に行けるのがちょうどいいみたい、とのこと。
「たぶん娘は、この家を別荘だと思っている(笑)」
好奇心旺盛な奥さんはフラダンスやヨガ、畑を持っているわけでもないのに(笑)有機栽培を習ったり、旦那さんの釣ってきた魚を干物にするなど、島で色々なことにチャレンジしています。島でやることにネタ切れしたときは、橋を渡って四国方面にも足を伸ばしているそう。大阪に住んでいるときは四国ってすごく遠い場所だったけれど、淡路島からだと気軽に行けるから楽しい。この前は孫と東かがわ市(香川県)の「しらとり動物園」まで行ってきたんよ。と楽しそうに教えてくださりました。
一方、旦那さんは、休日はもっぱら釣り三昧。大阪から毎週釣り仲間がやってくるそうです。飲みに行く回数も減り、居酒屋に行くのは友達が来た時くらい。今は「飲みに行きたい!」と思うことも少なくなった、とのこと。
釣り仲間とのひととき、大物がいっぱい!!
Y夫妻は、大阪に持ち家があり島では賃貸暮らし。合わなかったら帰る場所があることで、変に力みすぎず、島暮らしを軽やかに楽しんでいるのだなと感じました。都会が嫌いだからとか、島で何かを成し遂げたいとか、自分の確固たる思いがあるというのも素晴らしいことですが、お試し暮らしくらいの感覚で、都会と田舎を行ったり来たりしながらの軽やかな移住というのも自然体でいいなと思う取材でした。
取材日:2023年11月25日