この記事は、2022年7月2日に開催された「オンラインライブ相談会 突撃!!あわじ暮らしさん」の内容を抜粋して書き起こしたものになります。イベントの様子はFacebookのライブでアーカイブ配信されています。その他、音声のみで楽しみたい方はポッドキャスト配信プラットフォーム「Anchor」にもアップロードしていますのでこちらもあわせてどうぞ。
第二回目のゲストは淡路島で農家として起業した大田志穂さん。当日は自宅兼作業所にお邪魔して、淡路島で農家として独立するまでと独立してからのお話をお聞きしました。※予定では圃場からお送りする予定でしたが、予想外の梅雨明けと猛暑のため屋内からのお届けとなりました(泣)
農家になったと実感したのは、はじめて自分たちの野菜が売れたとき
まずは農家になるにはどうしたらいいのかお伺いすると。
代々農家の人は田畑があるけど、農家じゃない人はまずは土地探しから(笑)借りるか、買うか。でも農地を取得するには農業委員会の許可が必要で、何かしら農業に携わっていたとか、親戚が農家とかの条件があるみたい。詳しくは分からないんだけど。。。私たちの場合は、しんちゃん(夫)が農業法人に就農していて二年経っていて、今の農地がたまたまその農業法人と同じエリアにあったから認めてもらえたのかな。土地を取得せずとも、借りて農業をしている人もいらっしゃる。
農協さんに卸すにはいろいろな審査があるみたいだけど、私たちはそんなに沢山作っていないから農協には卸していない。その代わり地元の直売所の「出荷者募集」の張り紙を見て申込をして、直売所に出荷するようになった。地産地消がいいなと思っているので地元のお店に並ぶようにしている。
農家になったと実感したのは、はじめて自分たちの野菜が売れたとき。
野菜がすぐに売れ始めた訳じゃなくて、はじめのころは10袋持って行って、それがそのまま残っているってことが何か月も続いていたそう。値段と見た目と量。。。に見合わなかったのかなっと。だからそこでめっちゃ努力した。自分は売る側になったけど、買う側の方がキャリアは長い。だから、どうやったら買いたいか?自分が買いたい商品を出すっていうのを一年、二年、三年とやっている。
大変と思ってやらない、楽しいことだけやる
次に、農家になって大変だったことについて聞いてみました。
「農家になって大変だったこと、ホンマないねん。」
草刈り大変だねと聞かれても「草って生えるよね。めっちゃ元気やん!ここの雑草~」みたいな感じ(笑)無農薬・無肥料なので、めっちゃ虫もいる。でも、虫も意外と全滅はさせへんのよ。レタスが20株あるとするやん、そしたら5株は残ってる。めちゃくちゃ強い個体っていうのがおって、周りがどんだけ虫に食べられててもめちゃくちゃ元気な子がおるので、その子たちを収穫して出荷してる。
農作業自体ってのは大変って思わないんやけど、売れないってのが一番大変。困ったな~って思う。趣味でやってるわけじゃないから、少しでもお金に変えていきたいって気持ちがある。
周りの農家さんの悩みもそんな感じなのでしょうか?
「それがね~。あんま友達おらへんねん(笑)」
農家さんって基本内向的というか、野菜に向かってる人が多い気がする。マルシェなんかのイベントに出たときにようやく喋れた~って感じ。だから師匠は特にいなくて、実践あるのみ。本は参考程度に読むけど、何冊も読み比べていろいろ試している。だけどまだ確立された方法はない。「これをせなアカン」って思ってやるんじゃなくて、これを育てたいって思う野菜だけを作っているから辛くはならないかな。
農家の一日
夏のスケジュールとしては、しんちゃん(夫)は4時半に起きて10時くらいまで畑で作業。私は6時くらいから起きて、子供の学校の準備をする。そしてお昼は暑すぎて外の作業が出来ないので、夫婦そろって屋内で唐辛子の出荷作業、乾燥した唐辛子をハサミで切って種を出していくってのを永遠とする(笑)
夕方、しんちゃんは15時~16時くらいから20時くらいまで畑で作業。私は17時くらいまでに夕飯の準備をして子供らにご飯を食べさせた後、18時~19時半くらいまで鎌で草刈りをします。そして、19時~20時くらいから夫婦そろって夕ご飯を食べる。
逆に、冬は朝晩が暗すぎるので日中が作業時間。でも寒いときは着込めば何でもできる。8時半~17時くらいまで作業するっているスタイル。
夏と冬で作業時間が変わるけど、体調は大丈夫ですか?
「むしろ、明るくなったら作業して、暗いから何もしない。真っ暗のなか働くからみんな体調崩れるんちゃうかな~。」前職がサラリーマンで、22時くらいから飲みに行ってみたいな生活だったから、その時よりは健康になったかな。
自分たちで作ったものを食べる安心感
最後に農家になってよかったことをお伺いすると。
食べるものが安心っていうか、自分たちですからね(笑)私らは種からこだわって、固定種ってのを選んでいるし、どのような過程で作られているか分かるので安心感が半端ない。お米も作っているから、子供らにおにぎりいくらでも作ってあげられる。子供らは家で作った野菜と、買ってきた野菜の味の違いが分かるようになってる!それは嬉しいよね。
あと、アレルギーとかでの関係で無農薬の野菜を探していたという人に、私たちの野菜に出会ってもらえたたときはホンマ嬉しい!
野菜のことを「この子」「あの子」とわが子のように呼ぶ大田さんが印象的だったインタビューでした。淡路島の直売所で淡路島YASAIBAの商品を見かけたときは、「この子だ~!」と思いながら手に取ってみてください。
淡路島YASAIBAのインスタグラム(https://www.instagram.com/yasaiba.awaji/?hl=ja)