移住者ブログ

農家2年目の反省!?

こんにちは 淡路島YASAIBAのおおたしほです。

今日は農家2年目の反省をしてみたいと思います。
(以前のブログでも書いたように、1年目は家庭菜園だったので換算していません)
南あわじ市地域おこし協力隊を卒業して、本格的に!?始めた農業。といっても、私はほぼ『ニンジン』しかやっていません。
なので、『ニンジン』について考えていきます。

洗浄後のニンジン

〇1年目:2018年秋 種まき ~ 2018年冬 収穫、出荷 
 栽培面積が狭く、収穫本数も少ない
 1日に5袋程度の出荷にとどまる(収穫したものの4割は形が悪かったり、商品として並べられない)
 週に2~3日、直売所Aに出荷する。
 1日平均2袋程度販売
 農家として出荷するには、もっともっと栽培しないと商品にならないんだな
 種まきの時期が少し遅かったため、成長が足らなかった(大きさ)

〇2019年春 種まき ~2019年夏 収穫のはずが、
 長雨と日照不足、水はけの管理がうまくできず出荷直前にすべて土の中で腐らせてしまった

〇2年目:2019年秋 種まき ~ 2019年冬 収穫、出荷
 栽培面積を広くし、昨年の5倍近く種まきをする
(昨年の反省から、種まく時期を少し早めた。夏の反省から水はけのマシな畑へ作付け場所を変えた)
 想像以上に草引きの必要がある
 ニンジンの成長と共に行う「間引き」にも時間を要する

見えてる範囲がニンジンです(右側4列)

 みるみる成長し、出荷していかないといけないが!!
 売れない!!
 ニンジンが売れない!!リーフレタスは7割売れるけど、ニンジンが売れない!!
 直売所Aには、ほかの生産者が出荷するニンジンもたくさん並ぶ。
 10袋出荷しても販売0袋の日が3日続いた。
 初日は「ま、0袋の日もあるか…」と思ったが、翌日も、その翌日も0袋。
 曜日を変えて出荷してみた。結果は同じだった。
 朝に納品したお野菜を、そっくりそのまま夕方に回収するときの『みじめさ』ったらない。本当に悲しいのです。

 焦る!!!

 収穫、出荷できる時期は約2か月。
 これではせっかく美味しく育ったニンジンたちに申し訳ない、と思い、急いで新たに出荷できる場を探す。

12月はニンジン・春菊・レタス・柚子と出荷できました

・黒枝豆からお世話になっている施設へ納品
・観光地にあるマルシェへ納品
・地元スーパーマーケットの産直コーナーへ納品
・ネット販売開始
・飲食店へ営業

ネット販売と飲食店へ営業は『ほぼ0』だったけど、笑。
意外だったのは、地元スーパーマーケットの産直コーナーでの売れ方だった。
直売所やマルシェ、どこに置いても『淡路島のニンジン』は売れにくい。みんな『淡路島のたまねぎ』を求めているから。
それに、そもそも『ニンジン』に味を求めている人が少ない。
日常的な野菜であるからこそ、安価であればそれでいいのかもしれない。
だから、地元スーパーでも「売れないだろう。今年は暖冬でどこの産地も安価だし」と思っていた。
だけど、平均して一週間で20袋程度、毎週販売できた。1日にすると3袋だけど、毎週のべ20人の方が私の『ニンジン』を手に取って、食卓に並べてくれているのかと思うと、とてもうれしい。

スーパー産直コーナーでニンジンは淡路島YASAIBAだけだった

直売所Aでも、売れる方法はあったと思う。
値段を下げればいいのだ。たぶん、きっと。4本入り120円とかに。だけど、私はできなかった。
私は『ニンジン』が大好きで、自分が食べて『うまいっ』と思った、黒田五寸人参という固定種の種を選び、除草剤を一切使わずに雑草をチマチマと引き、化学肥料を一切使わず、じっくりと成長を見守っている。育て方にこだわりがある。
収穫期を迎えた『ニンジン』たちは、香り・色・つや・形・味とすべてが愛おしい。
(美味しい、かどうかは人ぞれぞれだと思うので、「絶対に美味しいです!」とは言わない。愛おしいです。)
選果して出荷されていく1軍の『ニンジン』は、自分の娘を嫁に出す、というようなもので…
売れ残れば「魅力がなかったんだな…」と娘が価値のない人間のように思えたり、
値段を下げるということは「娘を安売りする」ということ。それは母としてできなかったです。
それぞれの店舗のお客さんのターゲットも違います。
同様に、その店舗に来るお客さんが求めるもの、も違います。
だから、出荷者である私も店舗にあった納品の仕方を模索しました。
直売所Aへの出荷も諦めたわけではなく、何らかの方法でリベンジしたいと思っています。直売所Aのお客さんが求めるもの…とは。

中心の茎が太くなってきています

9月初旬に種まきした『ニンジン』も3月下旬、トウ立ちが始まり、出荷できなくなりました。
(成長で中心部が固くなってくる現象です。このあと子孫を残す段階に入ります)
畑には残り半分の『ニンジン』があります。多くを売れ残りとしてしまいました。
近くにある動物をたくさん飼育する施設の方に取りに来てもらい、120㎏程度寄付させてもらいました。
あとは、うちのヤギのあずきちゃんのごはんになります。

必死のお顔

反省として書いてきたのですが、
「売れ残ったといえば、売れ残った」
でも、
「売れ残りを出すことができるくらい育てることができた」
ではないか。
私は自分に甘い。
子どもたちを朝晩、送り迎えし、パートに行き、家事をして、収穫・洗浄・選果・梱包・納品作業をした。
まだまだ生活ペースも定まっていない。収穫期は毎日ワチャワチャ。
1年目よりも2年目。2年目よりも3年目。
農家2年目、がんばった!!楽しかった!!

と、思いながら、
夏に出荷できるよう、めげることなく種まきをし、草引きをチマチマやっています。

ニンジンの【芽】出てきてます。見えますか??
雑草を引きました。え?見えます?トゲトゲに見えるのがニンジン葉です

だけど、今年のような収入だと、「農家です」とは言いにくくて…
畑を見に来たスーパーマーケットの担当者さんに「趣味ですか?」と言われるレベル。
生産者が直接販売するスタイルでいくなら、やはり多品目で『お野菜セット』がお客様も買いやすい。
分かってはいるが、性格上、多品目がやりにくい。脳みそがパニックになりそう。
だったら、『ニンジン』でいくのか。
南あわじ市の『ニンジン』なら淡路島YASAIBAでしょ!って言ってもらえる日を妄想して…

それまで健康に畑に出る必要がある。
だから、今は【家にいよう】。

注)家事の半分はしんちゃんがやります。
  農作業もしんちゃんの管理がなければ成立しません。
  (*´∀`*)アハハ

この記事を書いた人

おおたしほ

おおたしほ

1981年生まれ 大阪府育ち。 家族は、日本一の一味唐辛子栽培を夢見る夫、 大好きなニンジンを作ることができる喜びを全身で感じている私、 そんな私たちの畑をときどきお手伝いしてくれる2人の子どもたち、 草刈り&草食べ担当のヤギのあずきちゃん、迷い猫だったくろまめちゃん、図々しく家に入ってきたおもちくん。 (今は2匹とも家猫です)

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