相談員ブログ

【体験談】産後ケアって、知ってますか?

みなさんこんにちは、相談員の藤本です。今年も残すところ1ヶ月ちょっと。
毎年言っている気がしますが、本当に早いですね。(笑)

わたしにとってこの一年は、いままでの人生で“いちばん”と言っても過言ではないくらい、激動の一年だったように思います。出産、子育てを経験し、家族が増えたことで母親という役割が増え…。生活面の変化はもちろん、感情面で体験したことも、すべてがはじめてのことだらけでした。

ハイハイに加え、つかまり立ちができるようになり、益々目の離せない日々。

今回は、そんな産休・育休を過ごす中で「復帰したら絶対に書きたい!」と思っていた、「産後うつ」と「産後ケア」のお話をしたいと思います。

以前からお伝えしている通り、わたしは3月に第一子となる息子を淡路島で出産しました。千葉県出身のわたしは妊娠中、周りから「里帰りしないの?」と聞かれることがよくありましたが、“息子の成長を片時も見逃すことなく、夫婦二人で育てていきたい”という思いが強く、里帰りは考えたことがありませんでした。(その代わり、退院後は実家の母に1ヶ月ほど手伝いにきてもらうことにして、身体の回復と子育てに慣れることを目標としていました)

退院から3日目。主人と出生届を出しに行った記念に、家族3人で。この頃はまだ、これからはじまる家族3人での暮らしに胸を躍らせていました。

しかし、異変はすぐに表れました。退院から5日が経ったころ、突然涙が止まらなくなったのです。それは、毎日続きました。最初の頃は寝室や風呂場にこもり、一人で泣いていましたが、それも日を追うごとにひどくなり、自制心がきかず、主人や母の前でも取り乱すことが多くなりました。

次第に息子と二人きりの夜を迎えるのが怖くなり、うまく眠ることができなくなりました。

そして訪れた2週間健診。保健師さんによるEPDS(エジンバラ産後うつ病問診票)のチェックがあり、結果はあと1ポイントで「産後うつ 陽性」のところまできていました。注意喚起として、その後も保健師さんからの連絡や訪問が続きましたが、ポイントはどんどん高くなる一方…。ついに、産後うつと認定されました。その際、産科の婦長面談と精神科への受診をすすめられるとともに、教えていただいたのが「産後ケア」でした。

産後ケアは、退院直後の母子に対し、助産師が育児のケアやサポートをしていく事業。産後うつによる自殺者の増加を受けて、厚生労働省が2019年、各市区町村に公布しました。通所型・宿泊型・訪問型の3種類があり、行政による利用料の補助を受けられるのが魅力です。

淡路島では3市共に、下記の値段で利用することができます。

■通所型…10時~17時まで(1,800円)

■宿泊型…10時~翌10時まで(6,000円)

■訪問型…10時~17時までのうち2時間以内(1,200円)

※利用日数は、通算14日以内

※利用にあたり、保健師との面談、申請が必要です

また、産後ケアの受け入れ先は、笑顔母乳相談室(通所のみ)、聖隷淡路病院、さくら助産院の3カ所です。わたしは家からいちばん近いこともあり、さくら助産院での産後ケアを利用させてもらいました。

2022年4月に開院。淡路島出身の院長・藤岡勢子先生が、自身の出産を機にUターンし、のちに開業。

では、一体どんなケアを受けられるのか?

基本的には、子供を預けて、わたしたち母親は個室でゆっくり休むことができます。産後1年未満の大きな悩みは、やはり夜間授乳や夜泣きなどによる、寝不足です。たっぷり寝て疲れをとれる場所があるというのは、本当にありがたいサービスです。

さくらでは最初に、院長・藤岡先生の問診があり、いま子育てで困っていることなどを聞かれます。

はじめて利用させていただいたとき、息子は生後2ヶ月。夜はなかなか寝ないし、ミルクも手探りで与えている状態でした。さらにわたし自身は、産後うつ真っ只中。睡眠障害を起こし、1週間おきに通う精神科から眠剤を処方されている状況でした。

そうしたことなどを院長に伝えると、その日はひとまず息子は完全に預けて、わたしは個室でとにかくゆっくり休むことになりました。

個室は和室と洋室があり、希望すれば子供と過ごすこともできます。

「まずは身体を温めてぐっすり眠ろう!」との提案通り、問診の後はお風呂をお借りすることに。入浴後は、院長によるマッサージの施術を受け、心身ともにリラックスしてきたところで就寝。目覚めたころにはお昼を過ぎていて、個室には豪華な食事が運ばれてきました。

食事は院長のお母さまの手作り。メニューがいつも豪華で、これがとても美味しい!3時にはおやつもいただきます。

部屋でぼーっとしたり、仮眠を取ったり。たまーに院長が覗いてくれて、お話したり、息子の様子を教えてくれたりしました。

いちばんの悩みだった「ミルク量」と「授乳間隔(時間)」についても、息子を預かってもらっている間に量っていただき、「この子は160ml、5時間間隔でイケるよ!」教えてもらうことができました。

それまでは120mlを2~3時間おきに与えていたので、この日を境に、一気に子育てが楽になったのを覚えています。(また、「うつ伏せが好きそう」ということも教えてもらい、寝かしつけの成功率もグンと上がりました)

うつぶせ寝はSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクがあるとされていますが、本当によく寝るので、うちでは定番のスタイルになりました。

その後も精神的に不安定になっているときや、寝不足で疲れが溜まってきたときなど、通所と宿泊をうまく使い分けながら利用させてもらい、少しずつ子育てに慣れていきました。

おかげで息子が4ヶ月になるころには、産後うつからも脱却。産後ケアで身体を休めつつ、育児のヒントももらい、いまでは子供と過ごす日々のしあわせを感じられるようになりました。

産後ケアの利用回数が上限に達してしまったいまも、イベントなどに参加させてもらい、変わらずさくら助産院にはお世話になっています。

息子もさくらが大好き!院長の藤岡先生と一緒に。

わたしにとってはじめての子育ては、しあわせなことばかりではなく、周りには理解してもらいにくい苦悩がたくさんありました。

それは決して、家族に解消できるものばかりではないと知ったときは、深く絶望もしました。

だからこそ他人に頼ることができる産後ケアの存在が、とてもありがたかったのです。

わたしは昔から人に頼ることが苦手で、なんでも一人でこなしてしまうタイプの性格でした。(だから産後うつになったのだと思いますが…笑)そのため、旦那さんや家族に頼るなんてことは、わたしにとって至難の業。

その点、産後ケアは他人です。他人でプロの助産師だからこそ、子供を預けても安心感があったし、お金を払ってサービスを受けるという割り切りが、「頼る」というハードルをさげてくれたのだと思います。

毎月行われるさまざまなイベントも、いつも大盛況。

いまだからこそ語ることができますが、もし産後ケアがなければ、さくらと出会っていなければ…

わたしも息子も、どうなっていたか分かりません。それこそ淡路島で子育てを続けることは、困難だったと思います。

さくらで教えてもらった、たくさんの愛。

息子もわたしも、その愛をいっぱい受けて、いまがあります。

だからわたしのように、近くに頼れる人がいない移住者のお母さん。また、これから淡路島で出産するお母さん。いままさに、子育て中のお母さんも含めて、この産後ケア事業というものが広く伝わり、救われる命(心)が増えることを、産後うつ経験者として、切に願っています。

≪さくら助産院🌸≫
兵庫県淡路市志筑新島6ー9
0799-62-5030
さくら助産院では、お産や産後ケアだけでなく、妊産婦や子供たちが楽しめるイベントを毎月開催。
詳しくはHPやインスタグラムでご確認ください。
□HP https://sakura-midwifery-home.com/
□instagram https://www.instagram.com/sakura.midwifery_home/

※産後ケア事業についての詳細や質問は、各市の担当課にお問い合わせください。

 

 

 

この記事を書いた人

藤本 沙紀

藤本 沙紀

2017年3月、東京から淡路島へと移住し「紡ぎ屋」の屋号でフリーライター・制作ディレクターとして活動している。webメディアのライティングを中心に、イベントPRや観光情報誌などで淡路島の魅力を発信している。制作実績には、南あわじ市の沼島を題材としたコンセプトブック「紡ぎ」や、県民局から受託した淡路島の「移住促進パンフレット」、「支援メニュー早読み表」などがある。 https://tsumugiya.site/

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